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『この世界の片隅に』、『ユーリ!!!onICE』、『呪術廻戦』、『進撃の巨人 The Final Season』など、注目の作品を次々と手がけてきたアニメーションスタジオMAPPA。
2011年の設立以来、多くのクリエイターを社内に抱える内製化で急成長を遂げ、東京と仙台を拠点に310名のスタッフが活動している。デジタルワークス全般を担うCGI部ではDAIVシリーズを導入中。来年には大阪に新オフィスを設立予定。そこでも引き続きDAIVを選定している。
アニメーション制作に必要なソフト(3Dモデリングやレンダリング、Adobeソフト類)が軽快に動作するハイスペックPCの導入
データの大容量化および処理の複雑化にともなう、PC負荷の増大(レスポンスの遅延や一部機能の動作不良が発生)
社員数の急増にともなう、機材調達・メンテナンスの手間の増大
処理速度向上による、クリエイターのパフォーマンス向上
選びやすいモデル構成と、適度なカスタマイズ性による、機材調達の円滑化
MAPPAは2011年に設立されたアニメーションスタジオだ。元々は手塚治虫氏が創設したアニメーションプロダクション「虫プロダクション」の出身で、「マッドハウス」の取締役社長も務めた丸山正雄氏が、片渕須直監督の『この世界の片隅に』を制作することを目的に設立。現在は『鉄コン筋クリート』や『デトロイト・メタル・シティ』を制作した「STUDIO4℃」出身の大塚学氏が社長を引き継ぎ、昨年設立10周年を迎えた。
過去の作品では見たことのない、新しい映像表現を追求するスタイルで、業界内でも一目置かれている。
部門は制作部、ライツ事業部、企画開発部、CGI部、演出部、作画部で、社員数は310名(取材時)。
中でもデジタルワークス全般を担うCGI部は同社最大の部署で、3DCG・背景・仕上・撮影・編集・デザインの6部門で構成される。
CGI部で主に使われるソフトは、Autodesk製品の「3ds Max」「ShotGrid」や、Adobe製品の「Photoshop」「AfterEffects」「Substance 3D」など。
近年「Blender」の使用も開始した。
第一線のクリエイティブを生み出すには、使用機材も一線級である必要がある。そのため機材選びは、重要な経営判断と言っても過言ではない。スペックとコスト、納期、メンテナンス性……。考慮すべき点はさまざまあるなかで、MAPPAではどのように意思決定が行われているのか? PC発注を取りまとめるCGI部 部長の淡輪 氏は次のように振り返る。
「発注までの検討工数をできるだけ減らしたいというのが一番のポイントです。現在弊社は社員を増やし続けているフェーズで、担当セクションによって重視するスペック(グラフィックボードやストレージ容量など)に若干の違いがあります。全員が同じPCというわけにはいきませんが、かといって1人1人のPCを詳細に吟味する時間がないというのが正直なところです。その点、DAIVはモデル・ラインナップ数とそれぞれの構成が絶妙で、あまり悩まず選ぶことができます。ちょっと特殊なマシンが必要なときはカスタマイズも可能なので、CGI部ではほぼ全員がDAIVに統一できています。おかげで発注業務がスムーズになりました」
DAIVの導入当時、何か懸念事項はなかったのか、導入の経緯とともに伺った。
「私がMAPPAにジョインした2014年時点では、別メーカーさんのPCが用意されていました。
特に不満はなかったのですが、業務拡大と共に増員を開始した翌2015年から、コストパフォーマンスを求めて国内BTO製品への切り替えを検討しました。私自身は仕事でもプライベートでも、マウスコンピューターの製品を使ったことはなかったのですが、リサーチするなかで「クリエイター向けPC」と謳っていることに興味を持ちました。その後、営業さんにいろいろとご相談させていただき、こちらの要望が叶えられそうなこと、懸念事項も特になさそうなことが分かったため、導入を決めました。それ以来、継続して発注しています」
今年も新たにDAIVの導入を行い、来年設立予定の大阪の新オフィスでもDAIVを導入予定。DAIVを選び続けるのは「現場から不満の声があがっていない」ことが大きいと話す。
「もちろん経年による不調は出ますが、親身にサポートしていただけますし、交換が必要な場合もカスタマイズなしのモデルなら数日で届くのでとても助かっています。DAIVに統一していることで、管理面でのメリットもあります。例えば何か問題が起きた際、同じPCを使っていればどこに問題があるのかを炙り出しやすいですから」
制作現場では、DAIVに対しどのようなメリットを感じているのか。呪術廻戦の3DCGディレクターを務めた兼田 氏は次のように話す。
「3Dの基本的な作業で、車やモブ(群衆)を配置する作業があります。モブを10体以上配置すると、データ容量が重く処理速度が落ち、ラグの発生や思うような操作に反応してくれなかったりと、作業がしにくくなっていました。そのため、以前使っていたPCでは、モブが多く登場するシーンだけ、別データとして保存する等の工夫が必要でした。ただこれは、仕上がりのクオリティ向上につながらない無駄な作業なので、けっこうストレスで。DAIVではその工程を挟むことなく、一つのデータで作業を進められるため、とても助かっています」
プレビュー・チェックも、PCのスペックの恩恵を感じやすいポイントだ。
「処理が遅いPCだと、重いデータはソフト内のプレビュー機能で再生できないため、チェックのためには一度書き出す必要がありました。書き出しには数十分かかるので、効率が落ちるし、調整したシーンをすぐに確認できないのはストレスになります。DAIVは、重いデータでもプレビューが機能するので、作業したものをリアルタイムに確認できます。調整、確認、また調整のサイクルが早くなるので、クオリティ追求に時間を使えます」
ベテランクリエイターになると、レイヤーをまとめたり、不要なオブジェクトを削除したりしてシンプルで軽いデータをつくることで、スペックの高くないPCでも効率的に作業するという。ハイスペックなPCは、そうした職人技をまだ習得していない若手クリエイターも、ベテランと肩を並べて働くことを可能にする。
クオリティのトップラインは、個人の創造性や審美眼に寄るところが大きいが、それらを安定供給する為にはPCスペックも重要な要素の一つ。実際、お二人もPCのレスポンスが速いほど、手数作業効率も作り手のモチベーションも上がると口を揃えた。
会社の規模を大きくしていく姿勢にも、前向きな印象を受ける。2Dと3Dのハイブリッド作画を実現できているのには、機材への投資も大きく影響していると言えそうだ。
今や1年間のどのクールでも名前を見ないことがないのではと思うくらいたくさんの作品を手掛けるアニメーションスタジオとなったMAPPA。実際に2021年から2022年の間で17作品を生み出している。
本数と質を担保していくことが必要とされる今後のアニメ業界にどのようなPCが必要とされるのか?淡輪 氏は次のように話す。
「注目はリアルタイムの描写力です。例えばゲームエンジンを使用した背景制作は今後更に増えていくと思います。質感などを調整する際、リアルタイムでサクサク確認できれば、作業効率が向上しますし、いろんなことを気楽に試せるので新しい表現が見つかるかもしれません。チェック時のディスカッションの質や密度も上がるはずです」
変化していく業界のなかで、MAPPAの制作チームはどんな組織を志すのか? 淡輪 氏はこう締めくくった。
「視聴者だけでなく、関わったスタッフ自身がファンになれる作品をつくることを組織としての目標にしています。待遇・環境を改善し続けて、マニュアルベースではないホスピタリティの高い仕事ができる現場になるよう尽力します。マニュアル的に対応するのではなく、個々人がアイデアを発揮できる環境が理想ですね」
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