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『この世界の片隅に』『進撃の巨人 The Final Season』『ゾンビランドサガ リベンジ』など、数多くのヒット作品を手がけてきたアニメーションスタジオ・MAPPA。
2020年3月から放送され大きな反響を呼んだTVアニメ『呪術廻戦』の制作現場では、クリエイター向けPC「DAIV」が導入されています。
今回はMAPPA代表の大塚学さん、CGI部 部長の淡輪雄介さん、3DCGディレクターの兼田美希さん(以下、敬称略)に、DAIVの使用感の話題も交えつつ、目の肥えたアニメファンをも唸らせる表現を生み出す原動力について語っていただきます。
気鋭のアニメ制作会社STUDIO4℃を経て、2011年の株式会社MAPPA設立に参加。
2016年から代表取締役に就任。
2019年にグループ会社として株式会社コントレールを設立し、代表取締役を兼務。
アニメーションプロデューサーとしても活躍し、『BANANA FISH』『ユーリ!!! on ICE』
『残響のテロル』『坂道のアポロン』などの多数の人気作品の制作を指揮した。
前職STUDIO4℃では、3DCGと作画を連動させた画作りを追求し、多くの作品でCGI監督を務める。
同僚だった現代表・大塚からの誘いで2014年にMAPPAにジョイン。
CGI部を立ち上げ、現在は画面設計やCGIプロデューサーとして『進撃の巨人 The Final Season』など、数多くの作品に携わる。
2023年の大阪スタジオ始動に際し、関西圏での長期的な仕事の創出と人材育成を目指している。
自身の好きな作品を手がけていたことをきっかけに2018年にMAPPAへ新卒で入社。
TVアニメ『呪術廻戦』では3DCGディレクターを担当。
最近では『劇場版 呪術廻戦 0』に参加するなど、クリエイターとしてもファンとしても大好きな作品に携われている。
―MAPPAの強みを教えてください。
大塚:視聴者を引き込む、チャレンジ精神にあふれた映像がMAPPAの特徴です。
MAPPAは2011年に設立されたアニメーションスタジオですが、2014年頃から挑戦的な企画に取り組むようになりました。作品名で言えば、『神撃のバハムート GENESIS』、『牙狼〈GARO〉- 炎の刻印 -』などがそうですね。通常作品よりも予算が大きい分、高い作画クオリティが求められました。
こういった作品に挑めたのは、当時はまだ無名のスタジオだったので、失う物はないと思い切りを持てたからですね。
―ビッグタイトルを数多く手掛けられていますが、なぜMAPPAに引き合いが集まるのだとお考えですか?
大塚:今でこそ代表作をあげられますが、2013年頃までMAPPAはこれといった特徴のない、どこにでもある制作会社でした。いつ潰れてもおかしくない会社だったと思います。クライアントも、ここぞという作品をそんな会社には任せません。良い作品を任せてもらうためには、「MAPPAに頼めばこんな作品ができる」という強烈な印象が必要です。ブランド力と言い換えられるかもしれません。
その印象を作るために、かなり努力をしました。引き受けて、やりきることができたら、今までのアニメ業界になかったものが作れる。でも、本当にできるのかは自分たちでも分からない。失敗すると損失が大きいし、信用も失ってしまう。そんな選択を迫られたとき、いつも挑戦することを心がけました。会社を成功させたいとか、仕事がほしいとかより、僕自身がクリエイターたちの力を信じることが出来たというのが大きいですね。クリエイターってすごいもの作るよね。それを見たいよね。というポジティブな感覚が、会社としての原動力になっています。
そうしたチャレンジから生まれた作品を見て、MAPPAを知ったと言っていただくことも多いです。写実的な表現の『残響のテロル』、メインのアクションに3DCGを使った『牙狼〈GARO〉』、少し時期は後ですがスポーツ表現を追求した『ユーリ !!! on ICE』……。前例のないものを作るからこそ、「この会社、何かやってくれそうだな」と思ってもらえるようになったのではないかと思います。そんな空気が生まれてから、より多様なご依頼をいただくようになりました。
―MAPPAの作画担当作品では、3DCGを使用することが多いそうですが、これはなぜでしょうか?
大塚:「3DCGがやりたい」というよりは、「いろんなツールでアニメを作れるようになりたい」という想いが先にあって、その手段の1つとして3DCGがあったという感じです。
MAPPAを設立する前から、アニメの作業工程にデジタル技術はどんどん入ってきていました。その時に感じたのは、アニメファンにとって作り手のツールは関係ないということ。作り手としては新しい手法って楽しいし、このツールで作ってるんだぞと主張したくなりがちですが、観る方は別にそんなこと望んでいないんですね。「3DCG作品は観ない」「3DCGなんて邪道だ」という方もいるくらいで。だから3DCGっぽい作品を作りたいんじゃなくて、3DCGを使ってるけど観客は変わらず楽しんでくれるというのが理想です。そうやってクオリティを上げていくことが、結果として会社にとっても表現の幅を広げるという挑戦になっていますね。
―クリエイターが働きやすい環境を作るために意識していることを教えてください。
大塚:個々人が「やりきった!」という気持ちになれるようにすることを意識しています。僕は、クリエイターが良いパフォーマンスを発揮できているかどうかを、アウトプットのクオリティではなく、力を出しきれているかで判断します。なぜなら、成果物のクオリティって経験だったり、素質だったりセンスだったりいろんなものでカバーできてしまうので。だから、いいものが上がっていればパフォーマンスが発揮できていて、仕上がりがいまいちだとパフォーマンスが発揮できていないのだという単純な捉え方はしません。それぞれの能力のなかで「やりきった!」という気持ちになれるかどうかを大事にして、それを妨げる要因は可能な限り排除するようにしています。
例えば「PCの処理が遅いせいで仕上がりを詰めきれなかった。本当はもっとできたのに……」という気持ちには絶対させたくない。スタッフが「満足できる仕事」ができているかどうかが、高いパフォーマンスに繋がると考えているので、余計なストレスは極力無くす配慮をしています。
―制作現場に最適なPCを選ぶ上での「判断基準」 を教えてください。
淡輪:基準は、導入時の選定のしやすさと安定した品質、そしてコスパですね。
現在MAPPAは社員を増やし続けているフェーズで、増員するたびにPCも増やす必要があり、あまり悩まずに発注できることが重要です。担当セクションによって重視するスペックに若干の違いがあるので、全員同じモデルにはできませんし、とはいえ複数メーカーにバラバラ発注するのも手間がかかります。そうした事情から、クリエイター向けのスペックで、かつ型数やカスタマイズ性が適度に豊富なDAIVを導入しています。
また、昨今はオフィス用のPCだけでなく、リモート用PCの支給も必要になりました。リモート環境では、修理や交換の手間が大きいのですが、DAIVは故障頻度が低いのでその点も助かっています。
―PCの機能や性能によって制作のスピード感や、作品のクオリティに違いを感じることはありますか?
淡輪:関係しますね。
PCの処理能力が高いと、作業内容が即座に反映されるので、社員のモチベーションも上がります。試したいことをどんどん試し、ダメなら修正するというスタンスで作業できるので、手数も増えます。
制作ソフトの動作が重くならない様に、無駄なデータを消したり、データの作り方自体をシンプルにしたりするのもクリエイターの能力の一部ではありますが、ハード側がそれを下支えしてくれるならありがたいですね。
クオリティのトップラインは、個人の創造性や審美眼に寄るところが大きいですが、各人がベストなクオリティを安定供給するためには、PCスペックも重要な要素の一つと考えています。
―現場でDAIVを使用してみて感じるメリットを教えてください。
兼田:重い処理もなんなく行えるので、PCの処理を軽くするためにしていた無駄な作業が必要なくなりました。スペックが高くないPCを使っていたときは、重いデータを扱うとクラッシュすることがあったため、1シーンを細かく素材別で保存し、軽いデータの状態で作業していました。DAIVでは、本来不要な分割をしなくても、1つのデータとして処理できるため、とても助かっています。
―制作目線で、今後のアニメ業界に必要とされるPCを教えてください。
淡輪:注目はリアルタイムの描写力ですかね。
例えばゲームエンジンを使用した背景制作は今後更に増えていくと思いますが、質感調整などを行った際の反映に時間がかかると、業務効率が著しく落ちてしまいます。どこかをいじったら、リアルタイムで画面上に反映されるというのが理想です。サクサク確認できれば、モチベーションも途切れないですし、チェック時のディスカッションの質も上がるはずです。
―これからの10年でMAPPAがチャレンジしていきたいことを教えてください
大塚:もっとビジネスとして成功させて、「アニメは稼げる」という印象を作っていきたいです。会社として利益を生み、現場のアニメーターや3DCGクリエイターをはじめ、アニメに携わる全ての役職の人たちの賃金を上げていきたいですね。他業界の大手企業に負けないくらいの水準にしたいです。
どうやって利益を生むかについてはいろいろとアイデアはありますが、単純にヒット作を生み出して稼ぐというのが一番間違いがなく、会社としても本筋だと考えています。じゃあヒットするにはどうしたらいいのかということを、会社として徹底的に考えています。
―読者(特にクリエイター)に働く環境としてMAPPAをお勧めするならどこを推しますか?
大塚:ヒットの出し方を考えていると言いつつ、どんなに考えたところで、ギャンブル的な側面はなくなりません。だから社員たちにも、攻め続けようと言っていて、普通のアニメーション・スタジオが尻込みするようなプロジェクトにもチャレンジし続けています。働く人の立場からすれば、他社では許されないようなチャレンジができること、その結果として誰もやったことのない新しいことを達成できるかもしれないことが、MAPPAで働く面白さかもしれませんね。
―アニメ業界の将来像を経営者の視点で教えてください。
大塚:日本のアニメは世界中から高く注目されています。それはすごくありがたいことなんですが、狙ってそういう状況が作れたのかというと、少し疑問に思っていて。そこに再現性を持たせていくことが、今後の鍵になるのではと考えています。
ただ、だからといって、海外向けの企画ばかりを作りたいとは思っていません。あくまで、日本のお客様に喜んでもらう。そのうえで、それが海外のお客様にもしっかり届くような仕組みや仕掛けを作る。そんな考え方で、日本と世界のアニメファンを楽しませていけたらいいなと思います。
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※当ページの掲載内容は、在庫などの都合により予告なく変更、または終了となる場合があります。
※該当機種が販売終了している場合、後継モデルへのご案内になります。
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