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昨今、日本でもeスポーツが大きな盛り上がりを見せており、eスポーツ関連のコースを設ける専門学校や高校も増えてきている。近畿大学では、2022年5月、日本の大学で初となる国内最高クラスのeスポーツ施設「esports Arena」をオープンさせた。この画期的な取り組みの狙い、そこでマウスコンピューター「G-Tune」が導入された理由、学生からの反響などを、情報学部学部長代理の井口信和教授、情報学部学生センター事務長の矢藤邦治氏、両名に伺った。
「esports Arena」を通じて、近畿大学の新たな展望を示す
ハイスペックPCとの接点を持つことができない学生がいる
eスポーツイベントの企画・運営を通じて、社会人としての基礎力を養う
まずはそもそもなぜ、総合大学である近畿大学が国内最高クラスのeスポーツ施設「esports Arena」を設置することにしたのか。その狙いを、矢藤氏は次のように語る。
「近畿大学では2022年4月から、Society5.0の実現を担う先端IT人材を育成すべく、新たに情報学部を設立しました。とはいえ昨今、情報系の学部は日本中の大学に存在します。他校との差別化を図るために、何か大きな目玉をつくりたい。こんな施設があるなら、ぜひ近畿大学に入学したい。そんな風に受験生に思ってもらえる施設をつくりたいと思ったのです」(矢藤氏)
「esports Arena」は本格的なeスポーツの大会やイベントが開催できる施設で、180㎡の敷地に31のプレー席、最大60の観客席を用意。最新の照明、音響、配信機器を整備している。近畿大学がこの施設で目指しているのは、他大学や企業、高校生を巻き込んでイベントを開催し、コミュニティを形成していくこと。さらにここでのイベント開催やeスポーツに関する取り組みを、大学としての教育研究に活かすことだ。
「『esports Arena』はイベントがない時は全学部生に解放しており、自由に利用できます。また大学esports部の拠点として、他大学の学生との交流の場にもなります。さらに企業や社会人が所属するeスポーツ関連のコミュニティとも連携し、学生に幅広い刺激や学び、キャリアに結びつくきっかけなどを提供できたら考えています」(矢藤氏)
幅広いコミュニティの形成を目指しているため、外部団体がレンタルして大会やイベントを開催することも可能だ。またさまざまな産学連携プロジェクトを推進している近畿大学情報学研究所では、学生から企画を募り、優秀な作品をオープンキャンパスで実施するコンテストを実施。これにはeスポーツ関連の企業が審査や準備などのメンター役として協力するという。
「私たちは学生にイベントの企画・運営を経験させることで、eスポーツ関連の技術や知識、さらに社会人として必要な基礎力や問題解決力を養成することも目指しています。例えば、自分たちの企画の良さをアピールし、周囲の人を巻き込んでいく力。よりよい段取りを考え、うまくいかなかった場合、どこに問題があったのかを考え、解決につなげていく力。さらにイベント配信で動画再生回数を増やすための発信力。そのような将来、どのような分野に進んでも活躍できる、社会人としての普遍的な力を身につけさせてあげたいのです」と井口教授は語る。
近畿大学は建学の精神として「実学教育」と「人格の陶冶」を掲げている。「esports Arena」はまさに、eスポーツを通じてこの理念を実現するための場である。この施設はまた大学における重要な教育、研究の場でもある。情報学部ではeスポーツに関する基礎的な知識や文化を学ぶ授業があり、産学連携による共同研究も行う。例えばすでに、AIを使ってeスポーツ選手のコーチングをする研究などが行なわれていると言う。
そんなこれからの近畿大学の顔として学内外から話題を呼びそうな「esports Arena」で採用されているのが、マウスコンピューターの「G-Tune」だ。グラフィックスカードにはGeForce RTX™ 3070 Tiを搭載し、高速処理でマルチタスクをこなし、映像も非常に美しいハイエンドモデルが、31台導入されている。
近畿大学が「G-Tune」の採用を決めたポイントは、eスポーツイベントを実施するうえで必要なスペックを備えていることと、24時間365日の安心できるサポートがあること。そのうえでeスポーツの世界での「G-Tune」のブランド力が大きかったと矢藤氏は言う。
「『G-Tune』は有名なeスポーツの大会でよく使われており、ゲーム好きな若い人たちから人気があります。筐体がスタイリッシュで、ネーミングもいい。やはりこのようなブランド力やイメージの良さは、受験生には大きなアピールポイントになります」
実は近畿大学では学生が授業に使うパソコンはMacをBYOD(Bring Your Own Device)で導入しており、PC教室のようなものは整備していない。そのうえで今回、「esports Arena」にハイエンドなゲーミングPCを整備したことの意義を、井口教授は次のように語る。
「昔の大学のPC教室は、学生が家で使っているものより古く、スペックも低いことがありました。それでは学生が大学に来る意味がありません。学生が普通では所有できないようなハイスペックなPCを用意し、自由に触れさせてあげることは、大学の重要な使命だと思います。今回、『esports Arena』に『G-Tune』を用意したことで、学生はこんな高性能のパソコンが大学にあるなんてすごい、と喜んでいます」(井口教授)
「イベントのない平日は、学生が自由に利用できるよう解放しているのですが、午後からは多くの学生で賑わい、満席のときも多いですね。学生たちはみな目を輝かせてeスポーツゲームに熱中しています。大学のなかにこのような施設があると、授業の合間に空き時間も有効に活用できると、学生からは大変好評です」(矢藤氏)
今のところ大学としては「G-Tune」の導入に大変満足しているとのことだが、今後の活用や課題についても伺った。まずは現在のゲーム中心の活用から、それ以外の情報学部の教育や研究にも活用することを、今後は検討していくと矢藤氏は言う。
「これからはメタバースやデジタルツインが普及していくので、情報学部でも3Dコンテンツの制作やレンダリングなどの作業が増えています。そこで『G-Tune』にUnreal Engineなどの3D制作ツールを入れ、モデリングやレンダリングをする。そのような実習に活用できれば、大学としても『G-Tune』の利用価値がさらに高まると考えています」(矢藤氏)
さらに矢藤氏は、ゲームに使われる技術やゲーミングPCの進歩があまりにも早いことが、大学経営の視点からは大きな課題になっていると言う。
「今はグラフィックボードの進化が驚くほど早いですよね。おそらくGPUも来年や再来年には機能が向上した製品が登場し、快適にプレイできないゲームタイトルが登場することが予想されます。施設運営の立場からは一度、導入したPCはできれば5年は使い続けたいところです。よって例えば2年後にグラフィックボードをアップグレードできるサービスなどの提案をマウスコンピューターさんにはぜひお願いしたいと思っています」
最後に記事の締めくくりとして、改めて矢藤氏に「esports Arena」を通じて近畿大学が目指すこと、今後の抱負を伺った。
「『esports Arena』を設置した背景にあるものは、学生にとっていかに魅力あるキャンパスづくりができるかであります。日々、そのようなことを考えているなかから生まれたアイデアが、『esports Arena』です。同時にeスポーツはエンタメだけでなく、スポーツや教育、医療、福祉などさまざまな分野と関連性がある、非常に裾野の広い分野です。『esports Arena』を軸に集まった優秀な学生たちが、そこでの経験を通じて幅広い分野で活躍できる人材に成長してほしいと願っています」(矢藤氏)
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