インテル® Core™ プロセッサー
インテルの詳細情報
フォトグラファー 高木慎平

あえての違和感とこだわりのレタッチで、「自分だけの色」を作る

フォトグラファー 高木慎平
 × 
クリエイターPC DAIV

ポップでかわいい色味でありながら、どこか“違和感”も感じさせる独特の世界を表現し続けるフォトグラファー、高木慎平さん。妻の優衣さんをモデルとした「現実と非現実の間にあるかのような光景を切り取ったカップルフォト」でも大人気です。そんな高木さんが「PARTNER」をテーマに撮り下ろした作品をもとに、世界観を作り出す秘訣と、そのキャラクターを決定づけているレタッチ術について探ります。

高木慎平さんの過去作品
高木慎平さんの過去作品

高木慎平さんの過去作品

夢を諦めきれなくて、31歳からプロの道に

カメラというものに初めてちゃんと触ったのは19歳のときでした。ですから「高校生の頃から写真部でバリバリやっていました!」というタイプではないんです。19歳のときに初めて持ったカメラも、「トイカメラ」と呼ばれているプラスチック製のフィルムカメラで、機能よりも“雑貨としてのかわいさに惹かれた”というのが正直なところです。

そのトイカメラで様々なものを撮るようになって、すっかり写真というものの魅力にのめり込んでいったのですが、そのままプロを目指すということはなく、いわゆる普通の企業に就職しました。あくまで写真は僕の“大々々好きな趣味”みたいな感じでしたね。

でもずっと写真を撮り続けているうちに、「やはりカメラの道で生きていきたい!」という想いに蓋ができなくなり、31歳のときに思い立って会社を辞めてプロカメラマンになりました。といっても何か仕事の当てがあったわけではなく、会社を辞めて、「カメラマン 高木慎平」という名刺を作っただけなんですが(笑)。だから、僕の写真は完全に独学です。

とはいえ、そのうちお仕事も頂けるようになり、現在はアパレルブランドや雑誌、広告などで人物撮影を中心に活動させてもらっています。またアシスタントカメラマンでもある妻の優衣を被写体にした写真シリーズ「YUI」も、おかげさまで好評をいただいています。

夢を諦めきれなくて、31歳からプロの道に

世間のニーズに寄せて作るのではなく、あえて“違和感”を大切にする

僕の作品は“明るくてポップなかわいい色味”が特徴と言われることが多く、いわゆるSNS映えするタイプの写真であるとは思っています。でも、僕自身は現在のSNSなどの“トレンドに寄せていく”ということはしていません。かわいいとされているものは世の中に様々あると思いますが、“自分がいいと思うもの”を“自分だけのやり方”で撮らないと、僕が撮影する意味ってないと思うんですよね。

なので作品作りをする際は、SNSなどは極力見ないようにしています。それよりも、映画をじっくり観たり、美術館に行くなどして、「あ、この色合いはかわいいな」とか、「この構図は面白い!」などのヒントを得るようにしています。

また撮影時の構図やディレクションなどについても“あえてズラす”ということは強く意識していますね。明るくてポップな世界感ではあるけど、“どこか違和感やユーモアもある”という写真にすることで、“人の心に訴える何か”はより強くなると思っているんです。

現場で生まれる化学反応が、想定外を生み出す

クライアントワークでも作品撮りでも、僕の場合はモデルさんやヘアメイクさん、スタイリストさんなどと一緒にチームで仕事をすることが多いんです。その際にチーム内のコミュニケーションによって現場で“瞬発力”みたいなものが生まれると、作品のクオリティが“ドンッと”1段階上に行く実感があります。僕ひとりの力には限界がありますが、チーム力って無限大なんですよね。まずはチームとしての瞬発力を発生させるためのコミュニケーション構築が、“想定外”を生むためには大切だと思っています。

そのうえで、撮影の現場ではほぼ必ずと言っていいほど、事前のプランニングとは異なるひらめきが生まれたり、アクシデントみたいなものが発生したりするんですよ。そんなときも「予定ではこうなっているから」と、現場でのひらめきをボツにするのではなく、アドリブ的に、積極的に取り入れるようにしていますね。そしてアクシデントやハプニングすらも、「でもこれを作品に取り入れちゃえば、逆に面白くなるかも?」と考えてみるようにしています。そういった”現場での化学反応”を活かすことが、結果として良い意味での“想定外”につながっているのでしょう。

現場で生まれる化学反応が、想定外を生み出す

レタッチを極めることで、初めて”自分の写真”になる

ロケーションや衣装の選択はとっても重要であり、もちろん当日の撮影自体も重要であることは間違いありませんが、「撮影後のレタッチ」も、現代においては最重要といえるほどのポイントです。

カメラやレンズにはどうしても、メーカーさん毎の色や個性があります。それはそれで大切な個性ではあるのですが、そこからさらに“自分の色”にするためには、レタッチにもこだわらざるを得ないんです。

僕も多くのフォトグラファーが使っている「Lightroom」という写真編集ソフトウェアを使っていますし、自分で作ったプリセット値を使うこともあります。でも、プリセット値を「そのまま使う」ということはありません。そこからさらに、写真1枚毎に細かな調整を加えて、画面の隅々まで“僕の好きな色味”にすることで初めて、“高木慎平の写真”になるんだと思っています。

今回の作品でいえば、「赤い衣装の色味」を表現するのに苦労しました。赤って写真で表現するのが難しいんですよ。モデルさんの肌色をかわいくしようとすると、衣装の赤が“どぎつくなって”しまうし、赤のバランスを意識しすぎると、今度はモデルさんが映えなくなる。赤い衣装を選んだことを後悔するぐらい苦労しました(笑)。最終的に、僕が考える「ちょうどいい彩度の赤い衣装でありつつ、モデルの肌色や背景も僕が好きなかわいい色」に、なんとか仕上げることができました。

レタッチを極めることで、初めて”自分の写真”になる

作品の制作工程

工程1:ロケハン

工程1:ロケハン
世の中にはたくさんの“写真映えする場所”というのがあって、いわゆる“定番の映えスポット”は多いのですが、そういった場所へは行かないようにしています。やっぱり「自分で見つけた、自分だけが知っているロケーション」で撮りたいですし、そうでないと意味がないと思うんですよね。

工程2:ディレクション/撮影

工程2:ディレクション/撮影
この工程では、先ほども話したように「明るくてポップな世界感だけど、どこかを少しズラす」ことを意識します。今回撮り下ろした作品でも「南の島でこの服着る?」みたいなズラし方をして、違和感を作っていますね。とはいえ単に違和感があるだけではお話にならないので、「合ってないんだけど、妙にハマってはいる」という感じのバランス感は、常に重要視しています。

工程3:レタッチ

工程3:レタッチ
Adobeの「Lightroom」を使ってレタッチをしています。自分で作ったプリセット値を使って、まずは大まかな色味を作ることもありますが、最終的には被写体に合わせて一から手動で細かく調整し直していますね。そして「肉眼で見た色が再現できているか?」ではなく、「僕の好きな色が表現できているか?」に最大限注力します。画面内のどこを取っても僕好みの色になっていることが、そのまま”僕の個性”に繋がるわけですから。

完成作品「PLAY ON THE ISLAND」

完成作品「PLAY ON THE ISLAND」
完成作品「PLAY ON THE ISLAND」
完成作品「PLAY ON THE ISLAND」
完成作品「PLAY ON THE ISLAND」

今回の作品は、そもそも人生のパートナーである妻の優衣にモデルになってもらい、「PARTNER」を表現しました。衣装担当の塩川夏子さんとヘアメイクの伴 茜さんとともに、沖縄県北部にて撮影したものです。表テーマは「PARTNER」ですが、「1990年代のアイドルスタイルを令和風に落とし込む」という裏テーマに基づき、広角レンズとストロボを使って躍動感を出しています。

撮影場所のホテルは事前のロケハンで見つけた場所ですが、今回の作品に写っている螺旋階段は撮影当日にたまたま見つけた、普段は従業員さんだけが使っている階段です。「ここ、かわいい!」という現場の瞬発力が働いたため、そこを急きょ使わせていただくことにしました。また廊下で撮影した、モデルの背後にワゴンが写っている写真も僕は好きなんですが、このワゴンも、実はホテルの清掃員さんが使っているものです。ロケハンではまったく想定していませんでしたし、撮影が概ね終わったので「じゃ、帰ろうか」なんて話をしていたとき、たまたまこのカートを見つけたんですよ。「これはイイかも!」ということで、その場で清掃員さんにお願いして、1枚撮らせていただきました。ちょうどいい違和感が生まれたように思います。

すべての作業で「今使用しているPCの2倍は速い!」と感じる

「とにかく速い!」というのがDAIVの印象ですね。LightroomやPhotoshopの動きも、数百枚にのぼる画像の書き出しスピードも、社交辞令ではなく感動してしまうレベルです。 普段の作品作りでは、1枚の写真データが50MB弱あり、1回の撮影で数十GBの写真を読み込むことが多々あります。それでも、DAIVであれば読み込み・編集・書き出しすべてが早く、快適でした。普段使用しているMacのノートPCに比べ、「RAW画像の現像からレタッチまで一貫して速い」というのは間違いありません。定量で語るのは難しいですが、体感としては、DAIVは2倍ぐらい速く、結果として全体の業務は2倍ほど効率化されたかもしれません。

あとは、筐体にキャスターが付いているというのもいいですね。僕がMacのノートPCを使っている理由のひとつとして“自分の好きな場所で作業したい”というのがあるのですが、DAIVだったらキャスターをころころ転がして、自宅の中でも“その日の気分に合う場所”で作業ができます。いや、今後はWindowsに換えてもいいかなと、本気で思いますね。デザイン的にも、男心をくすぐる感じで好ましいですしね。

すべての作業で「今使用しているPCの2倍は速い!」と感じる
プロフィール

高木慎平
フォトグラファー

岐阜県出身。独学でカメラを学び、会社員からフォトグラファーに転身。広告や雑誌の活動を中心にビューティ系やポートレート写真を撮影している。ポップかつ明るい作風で、容業界やアパレル業界からの支持も高い。専門学校や企業向けの撮影講師としても活動中。全国各地にクライアントを持ち、多くの作品制作を手掛ける。現在はLight roomのプリセット販売も行っている。

【ご注意】
※ 製品の仕様及び価格は予告なく変更となることがございます。
※ セール、キャンペーン等は予告無く変更または終了する場合がございます。
※ 当ページの掲載内容は、在庫などの都合により予告無く変更または終了となる場合がございます。
※ 画像はイメージです。