モバイルからハイエンドなVRまで
ひと通りの開発を経験
GREE VR Studio
江本 真一さん 長原 俊之さん
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GREE VR StudioでネイティブアプリからPCベースのコンテンツまでVRアプリ開発に携わるプロデューサーの長原氏。これまでコンシューマゲームを多数手がけ、直近では渋谷に登場したVR施設「VR PARK TOKYO」向けに2つのVRアトラクションを開発。DAIVを使用し、わずか3か月という短納期で公開させた。DAIVの使用感や貢献度について訊く。江本氏はGREE VR Studio全体の取り組みや今後のタイトル構想を語る。
モバイルからハイエンドなVRまでひと通りの開発を経験
――― GREE VR Studioの取り組みについて教えてください。
江本 「GREE VR Studioは、VR市場に魅力的なコンテンツを提供するために設立した開発スタジオです。VR市場参入のきっかけは、弊社取締役の荒木がPSVRの前身にあたるProject Morpheus(プロジェクト・モーフィアス)を見たときに衝撃を受け、流行ると確信したことからです。
これまで開発してきたコンテンツは、スマホVRの『シドニーとあやつり王の墓』やバーチャル空間内でのコミュニケーションをテーマに作ったライド型の謎解き脱出アトラクションの『サラと毒蛇の王冠』、ハイエンドVRとしては来年配信予定でスクウェア・エニックスさんと共同開発中の『乖離性(かいりせい)ミリオンアーサーVR』などがあります。モバイルVR、ハイエンドVR、ロケーションVRと試験的に全ジャンルのVRコンテンツを作ってきました。」
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――― ロケーションVRといえば渋谷にできたVR PARK TOKYOにアトラクションを提供していましたね。経緯を教えてください。
江本 「はい、こちらはアドアーズ様と提携して開発をし、弊社からは2つのVRアトラクションを提供しております。早い段階からVR事業に注力していたことで、同社からも知見を評価されて提携が実現しました。VRアトラクションで新たな風を吹かせたいと思います。」
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DAIV導入でわずか3か月でのVRアトラクション開発を実現
――― VR PARK TOKYOに提供のアトラクション開発にはDAIVを使ったとお聞きしました。導入の決め手をお聞かせください。
長原 「見積もりの段階で実際に製品を触らせてもらうことができまして、その時の反応が非常に良かったんです。私の仕事では主に開発チームからあがってきたビルドを確認するために使うのですが、非常にスペックに余裕があるな、という印象でした。」
――― DAIVの気に入っているところを教えてください。
長原 「やはり動作が安定しているところです。開発から上がってきたものが製品構成に引っ張られずにすぐに動かせたことで動作の部分が信用できました。また、他のPCに比べて使用中の音が静かで快適なんです。VR PARK TOKYOに提供の2タイトルは、開発が3か月という短期間だったので非常に助かりました。」
――― 開発工程でDAIVだから達成できたことを具体的に教えてください。
長原 「通常なら開発中のプロダクトを最終段階で最適化する作業が発生します。サウンドやエフェクトを載せたり、描画領域やポリゴン数を調整したり。クオリティを上げたコンテンツがスムーズに動作するように調整する工程で、最適化に神経質にならずともマシンパワーで乗り切る局面が多々発生しました。そのおかげで短期開発ができたので、このPCでなければ納期遅れが発生していたかもしれません。」
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DAIVを導入して開発されたVRアトラクション
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対戦!ハチャメチャスタジアムVR
プレイ人数:1〜2人(対戦プレイ可能)概要: リアルな“野球盤”VRアトラクション。誰もが一度は遊んだことがある、あの「野球盤」を最新のVR技術で再現。野球のルールは知らなくても楽しめる、対戦型ゲーム。
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協力!GHOST ATTACKERS VR
プレイ人数:1〜2人(協力プレイ可能)概要:協力型ガンシューティングVRアトラクション。ゴースト退治専門家となり、相棒のドローンと一緒に、洋館に棲みついたゴーストを退治する、協力型ガンシューテイングゲーム。
取り回ししやすく運びやすく薄いデスクトップを目指して進化してほしい
――― VRアーケードゲーム作ってみて実際どうですか?
長原 「お客さんの生の声を直接見れる楽しさは格別です。フィードバックに即時性があり、実際に喜んでるところを見るのは気持ちいいです。」
――― VRアトラクションの課題はリピーターの獲得かと思います。何か対策はされていますか?
長原 「リプレイされる仕掛けとして、協力プレイや対戦プレイの機能を導入しました。また、意図的に難易度を上げることで再度挑戦しようと思ってもらえる設計にしました。VR PARK TOKYOには毎日足を運んでいますが、3度めの挑戦でようやく全ステージクリアして喜ぶユーザー様をお見かけするなど、チャレンジの方向性は間違っていなかったと実感しました。」
江本 「リピーター獲得のためコンテンツを一定サイクルで替える試みや、回転数を上げる以外にもスマホと連動し、アトラクションでゲームが有利になる武器などを課金できる仕組みなども将来的には取り組みたいと思っています。」
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NT Production部 副部長
江本真一 さん
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Native Game Publishing部 事業開発グループ
長原俊之 さん
――― VRアトラクションを開発する上で今後の課題を教えてください。
長原 「現場に行って分かったことは、オペレーターがキーになっているということ。プロダクト一個で完結して考えず、オペレーションがいかに楽にできるかも考えなければいけません。ここがカジュアルになれば強みになり、回転率も上がるのかなと。そのためには、デスクトップPCでの取り回しのしやすさなども重要になってくると思います。そういった意味でもDAIVは貢献してくれそうです。」
――― 開発スタッフ全員がDAIVを使っていますか?
長原 「今回の2コンテンツとも、10名以下の体制で行いました。ピーク時でも8名くらいで、DAIVは実機確認する際に使用させていただきました。」
――― ノートPCとデスクトップ、どちらが使い勝手がいいですか?
長原 「メンテナンス、拡張性を考えるとデスクトップですね。中途半端にノートがモンスター化していくよりも、デスクトップPCが取り回ししやすい製品になっていった方が、結果的に使いやすくなると思っています。」
――― 持ち運びやすさについては、現在利用されているDAIVシリーズはいかがですか?
長原 「取っ手が持ちやすく、キャスターもついていて良いですね。VR PARK TOKYOが開設して間もないのでフィルターの汚れなどはまだ気になりませんが、人の出入りが多い場所での利用となりますので定期的に掃除する場合もドライバー要らずでメンテナンスが楽なのが嬉しいです。」
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――― VR市場の盛り上がりや変化は感じていますか?
江本 「徐々にではあるが、市場の成長を感じます。家庭用VRデバイスであるPSVRの出荷台数がやや少ないので、現在はVRをより多くの方に体験してもらえるようにロケーションVRベースに力入れています。」
――― 最後に、VRでスマッシュヒットを出すために現在仕込んでいることはありますか?
江本 「モバイルVRで2017年に向け進めているものがあります。お楽しみにしていてください。」
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GREE VR Studio
GREE VR Studioは自らVRコンテンツを企画・開発し新しいユーザー体験を提供することで、人とコンピューティングの新時代を切り拓いていきます。
GREE VR Studio
http://vr.gree.net/ja/
DAIV-D シリーズ
広告グラフィックの多くを制作するプロダクション「株式会社アマナ」の協力を受け、最前線で活躍するクリエイターの意見を参考に写真や動画、イラスト、3DCGなどの使用に向いたクリエイター向けパソコン。前面に5インチ×3、3.5インチ×1の拡張ベイを備えるほか、前面上部に音声入出力とUSB 3.0ポートを2基装備。オプションで本体下部にキャスターも追加できる。
様々なクリエイターのニーズに、高い拡張性で応えるハイエンドPC
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