―まず、楽曲制作についてお聞かせください。
sasakure.UKさんは日頃、どんな流れで楽曲を制作されるのでしょうか。
物語や場面から先につくるという作曲方法で作品をつくっています。曲や歌詞を先につくる方が多いと思うので、自分はちょっとめずらしいかも。
例えば今回の場合だったら、名取さんに「どういう暮らしをしているのか」「どんなことをしたいのか」という話を聞いて、場面やストーリーをつくってから歌詞とか曲調とかを構築していきました。
―「モンダイナイトリッパー!」ではどんな場面を思い浮かべられましたか。
最初に名取さんから「世界旅行がしたいです!」という話を聞いて。世界各国を回って、楽しいことをして、自分のやりたいことを叶えて、どんどん飛び回っていく……というお話をいただきました。そこから、「じゃあ、世界中を回ってどんどん遠くまでいって、ついには宇宙にまで行っちゃえばいいんじゃないか!」とスケールが広がっていったのを楽曲に落とし込みました。
―「モンダイナイトリッパー!」のタイトルに込められた意味をお教えください。
せっかくの楽曲提供なので、名取さんの名前から「ナ」「ト」「リ」という文字を入れていたり、いくつかの意味が込められていて……自分が制作する時に2つ以上の意味を持つ言葉とか展開を意識しながらつくるので、今回もそういうところを考えながらタイトルを決めました。
いつも楽曲制作でタイトルを考えるのに一番時間がかかると言っても過言ではないくらい考えるので、色んな意味合いを感じ取っていただけたら嬉しいです。
―先ほど場面から楽曲を制作されるというお話があったのですが、
制作工程での具体的な作業順は決まっていたりするのでしょうか。
まちまちなんですけども、サビの展開から思いつくことが多いです。「モンダイナイトリッパー!」の場合は、1サビの「限界ツアーだ!サイコーなTripper」というフレーズが最初に浮かびました。
浮かぶときは歌詞とメロディが一緒に降ってくることが多いです。思いついて「この歌詞とメロディでつくると多分かわいくなるだろうな」みたいな所から入って、そこから言葉を選んでAメロ、Bメロとつくっていきます。編曲はつくりこんだりつくりこまなかったりで、ほぼ何もない状態でベースとメロディが鳴っているだけくらいの状態でデモ制作を進めることもあります。
―楽曲制作の段階でPCのスペック面に求めていることはありますか。
ソフトシンセを同時にたくさん立ち上げるので、単純にパワーがあるといいなというのと、レスポンスが速いといいな、というのはあります。プラグインとかシンセの立ち上がりが速いといいな、というのが常にあります。
―最後に「モンダイナイトリッパー!」のこだわりをお聞かせください。
どれを聞いてもらおうかな……ちょっと色々あり過ぎて(笑)
何回聴いても楽しめるように、曲調についても、歌詞についても「おや?」と思うところをつくっています。よく掘り下げていくと「これ、もしかして…」と思うところがあって、もう一度噛み締めてみると「あ、こういう解釈もできる!」と思えるような考察しがいのある、何回聴いても驚きがあるような楽曲をつくったので、たくさん聴いてもらえたら嬉しいなーと思っています。