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コンピューターは道具である。だからこそプロフェッショナルほど優れた道具を必要とする。今回は、ポストプロダクションなど映像のプロフェッショナルへ、ハードウェアやソフトウェアを提供するブラックマジックデザインに、マウスコンピューター製ワークステーションの魅力を伺った。
2003年、オーストラリアにて創業し、2008年から日本国内にも支社を構えるブラックマジックデザイン。販売パートナー経由で放送用カメラやキャプチャーカード、放送用コンバーターなど、ポストプロダクション業界に欠かせない製品を提供する同社は、高品質と安価な価格設定で急速な成長を遂げてきた。その理由としてブラックマジックデザイン テクニカルサポート部 マネージャー・岡野太郎氏は、「欧米はもちろん南米やロシア、アジアなど世界中を市場にコミットしています。我々の企業理念である『お客さまの真のクリエイティビティを開花させる』を御旗に掲げ、世界中のみなさんが満足する製品を提供してきました。その市場の大きさゆえ、価格を抑えることが可能になったと思います」と語る。
同社の成長はM&Aに頼るところも大きい。2009年はda Vinci Systems、2010年はスイッチャーメーカーのEcholab、2011年は映像変換機器メーカーのTeranex Systems、2012年はCintel、2015年にはEyeon Softwareと次々と合併・買収を重ねてきた。その結果がすべてブラックマジックデザインの豊富な製品ラインナップに反映されている。特に1980年代から2000年代のハリウッドを支えたda Vinci Systemsの買収はエポックメイキングな出来事だった。
編集からカラーコレクション、オーディオポストプロダクションまでを可能にする「DaVinci Resolve」に、ハードウェアなどを組み合わせたフルセットは本来1億円以上にもなる。だが、ブラックマジックデザインは価格改正を行い、当初は高価だったソフトウェアを12万にまで引き下げ、さらに価格改定を重ねて現在は3万3,980円(税抜き希望価格)で提供している。さらに9割の機能を利用できる無償版も用意した。
現在では撮影カメラから動画編集ソフトウェア、スイッチャーなど映像編集環境を一気通貫的に取りそろえることが可能なブラックマジックデザインだが、顧客からは「プロレベルの品質を限られた予算でそろえられる」(岡野氏)と好評を得ているという。
マウスコンピューターのクリエイター向けブランド「DAIV」では、動画編集からカラーグレーディングに最適な環境をワンストツプで提供・提案する「DaVinci Resolve 14推奨パソコン」を展開している。H.264などの一般的な映像フォーマットから、高画質RAWビデオ規格「CinemaDNG」に至るまで、最新プロセッサー、高性能グラフィックスを搭載することにより、高フレームレートでもコマ落ちが発生することなく、パワフルなポストプロダクション環境を実現する。
さらに本格的に、よりパワフルな作業を実行する映像クリエイター向けに、2015年11月より「MousePro-W」シリーズで、ブラックマジックデザインの再生・キャプチャーカード「DeckLink」を搭載したモデルを開始した。これまでシステム相性を懸念するユーザーがいた中で、動作および製品保証を約束するPCメーカーは稀有であった。 このたび、マウスコンピューターが2018年4月から販売を開始するMousePro-Wシリーズの最新モデルでも、DeckLinkの取り扱いは継続させる予定であり、DeckLink 8K Proの採用を計画している。
通常のPCではDaVinci Resolveの描画内容がOS、GPUを介してディスプレイに映し出されるため、そのままでは色味・色空間が正しくマッチしていない可能性がある。マスターモニターに直接データを出力しなければ正確な絵づくりは不可能だ。だからこそ、DeckLinkシリーズのような再生・キャプチャーカードが必要となる。ブラックマジックデザイン テクニカルセールス&マーケティング エンジニア・矢島史也氏は、「たとえばオーディオインターフェースなどを使わず、PC内蔵スピーカーのみで音源をマスタリングするプロはいません。我々としては映像制作の現場ではDeckLinkで正しい色を確認しながら(色調調整を行う)カラーグレーディングを行っていただきたいと考えています」と語る。
下図はMousePro-Wシリーズの中上位に当たる「MPro-W995DP5-M2」の主要スペックをまとめたものだが、ご覧のとおりIntel Xeon® Gold 6130を2基搭載している。マウスコンピューターはIntel Xeon® Silver 4110搭載(CPU2基構成)モデルをブラックマジックデザインに貸与し、8K動画編集などの評価を依頼していたが、「CPU能力が限界に達していました。Gold 6130を2基ならば8K60pの編集も可能でしょう」(矢島氏)とパワフルさを語った。
Intel® Xeon® Silver 4110 は8コア16スレッドのため、単純に比較すれば2倍となるが、「そもそも以前はフルレートで再生できませんでした。(Intel® Xeon® Gold 6130 を搭載するMousePro-W995SG16-M2 なら)フルレート再生はもちろん、エフェクトも可能になります」(矢島氏)と満足げだ。
「プリレンダリングした結果をストレージにキャッシュする場合、非圧縮形式でのキャッシュでは4K60p=1秒で約1.5GBの速度が必要。HDDではパフォーマンスが乏しいため、PCI Express級の転送速度が欠かせません。マウスコンピューターのMPro-W995DP5-M2なら空きスロットも多いため、高速なキャッシュ環境を構築可能。魅力的なマシンだと感じますね」(矢島氏)。
映像業界でもWindows 10の浸透が進みつつあるという。「お客さまの半数はMacユーザーですが、Windowsユーザーも増えています。Macは(ユーザーが必要に応じてハードウェアを拡張する)コントロールが難しいですね」と岡野氏は述べる。コンピューターに詳しいユーザーは、同額の投資で高スペックなPC環境を実現可能なWindows 10に移行し始めているという。同社はMacの最上位クラスでも4K60p編集環境は厳しいため、MPro-W995DP5-M2のようなPCの選択がベストだと語る。
Windowsという文脈では、MPro-W995DP5-M2のプリインストールOSがWindows 10 Proではなく、Windows 10 Pro for Workstationsである点にも注目したい。Windows 10 Pro for Workstationsは、より安全性の高いReFS(Resilient file system)、不揮発性メモリーモジュール(NVDIMM-N)のサポート、RDMA(リモートダイレクトメモリーアクセス)対応NIC使用時に利用可能なSMB Directを供える。そして、Intel® Xeon® やAMD Opteron™ プロセッサーを最大4基(Proは最大2基)、最大メモリーは6TB(Proは最大2TB)まで搭載可能だ。
一見するとオーバースペックに見えるが、矢島氏は、「これまではSAN(ストレージエリアネットワーク)の構築が不可欠だったが、SMB Directを利用できる環境ならばNAS上のデータを用いた編集に耐えうるかもしれない」と予見する。パフォーマンスの関係からローカルストレージにデータを置くことが多かったものの、SMB Directでクリエイティブの現場が大きく変わるかもしれない。
最後に、映像のプロからマウスコンピューター製PCについて伺ったところ、「DaVinci ResolveはCUDAを活用するため、(マウスコンピューター製PCは他社と違って)Intel® Xeon® とGeForce® を組み合わせられる点がいいですね」(矢島氏)と評価する。同社はGPUの性能差が年単位で大きく開くため、DeckLinkシリーズを使えるPCを安価な環境で入手できるマウスコンピューター製PCの柔軟性を高評した。
メディア系イベントとして有名なNAB Showは、今年4月9~12日(現地日時)に米ラスベガスで開催されるが、ブラックマジックデザインはDaVinci Resolveの新バージョンを発表する予定。矢島氏は「新バージョンでは、システム要件も変わる可能性があります。CPUやGPUのトレンドサイクルを鑑みると、俊敏に対応するマウスコンピューターなら、旬のタイミングでDaVinci Resolveの性能を引き出すPCを実現してくれるはず」と、両社の良好な関係を語った。
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