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マウスコンピューターは 2016年 2月、生産拠点がある長野県飯山市内の木島小学校へ、タブレットPC50台を寄贈した。これは未来を担う人材が一人でも多く育ってほしいという考えから、地域に根差した社会貢献活動の一環として、ICT教育推進事業をハードウェアの側面から支援するためにおこなわれた。それから約半年、実際の教育現場ではどんな変化が起こっているのだろうか。本稿では木島小学校を訪れ状況を伺ってきた模様を紹介しよう。
ICT教育に対応可能なPCの導入
OSやパッチのアップデートによる一時的な不具合の発生
市内ICT教育モデル校として教育のIT化をけん引
生徒の主体的なIT知識や技術の学習意欲の向上
飯山市立木島小学校(以降、木島小学校)は、長野県飯山市にある全校生徒132名の小学校だ。飯山市は新潟県に隣接する長野県北端に位置し、県内でも有数の豪雪地帯である。古くから仏壇の町としても知られ多くの寺院が立ち並んでいる。マウスコンピューターも生産拠点を置く工場団地エリアのほか、農産業でも有名であり坂井芋や木島米が名産となっている。特に木島米は日本中にその名を響かせるほどで、米・食味分析鑑定コンクール国際大会で金賞、特別優秀賞を多数受賞するなど、地域の誇りとなっている。
「『自ら学び、豊かな心を持ち、たくましく生きる児童が育つ学校』を実現するため、『かしこく、やさしく、たくましく』を合言葉に日々の教育活動を行っています」と語る木島小学校校長の宮澤 栄一氏。児童への教育に熱心な同校は、飯山市のICTモデル校にも選ばれている。「当市の市長がICTの導入に積極的な方であること。また当校としてもICTに明るい職員が多いという背景があったためモデル校となりました」と宮澤氏は経緯を語る。
また冒頭でも触れた、マウスコンピューターが拠点を置く工場団地エリアも学区内にある。そういった縁もあり同市と木島小学校のICTに対する取り組みを知ったマウスコンピューターはこれに賛同してタブレットPCを50台、タブレット充電カートを1台寄贈することを決定。またこれに歩調を合わせるように飯山市も大型モニター、教材提示装置、プロジェクターといった機器類を同校へ導入した。さらにはネットワークも敷設され、木島小学校はすべての環境が整う形で2016年度を迎えた。「純粋にICT活用の材料が揃ったことがうれしかったですね。あとは子供たちの反応を見ながら、教育へどのように効果的に活用していくか、実践をどんどん重ねていきます」と語るのはICT教育の現場を指揮する、同校教頭の橋澤 宏文氏だ。
「タブレットPCを使った授業や課外活動は好評です。子供たちはみんな声をそろえて『楽しい』と言っています」と目を細めるのは同校情報教育主任の平田 久貴氏。低学年ではタブレットPCのカメラ機能を使った動画、画像撮影がメインとなる。4年生ではこれに加えインターネットを使った検索や、撮影データを素材に内容を考察するという学習が日常化しているという。また5年生になると、データの入力や保存といった基礎的な知識や技能が身につきはじめるため、児童が主体的に活用できるよう授業に取り入れている。
「このほか、一般的な授業でもタブレットPCと大画面モニターをHDMIケーブルで接続して、デジタルデータを投影しながら学習を進める方法も浸透してきました。児童だけでなく、教員にもICTが自然な形で使われるようになってきました」と平田氏は話す。また同校では名産の木島米の田植えから刈り取り、脱穀や精米に至るまでを体験する学習を取り入れているが、近年では横須賀のアンテナショップでの試食販売も児童が実施している。「販売は遠方で行うため、すべての児童が参加するわけではありません。そこで参加した児童は当日の様子などをタブレットPCで撮影し、大画面モニターを使って報告会を行うのです」と語った。
木島米のブランド力もあるが、すでにリピーターになってくれた人や、アンケートに真摯に答え木島小学校宛に返信してくれる購入者などもいるのだという。「持ち運び可能なタブレットPCだからこそできる授業です」と平田氏は続ける。取材時には授業を参観する機会をもらえたのだが、ちょうど横須賀の即売会の報告とアンケートの返信について発表が行われた。慣れた手つきで画像をスライドショー形式で紹介しつつ、イベントの様子を話す子供たちのうれしそうな姿と盛んに感想や質問を出す子供たちの様子を目にして、すっかりタブレットPCが馴染んでいる授業風景には驚かされると同時に、子供たちならではの環境適応力の高さがうかがえた。
現在、ICT教育が浸透しつつあり、効果も上がっている木島小学校だが、なにも問題が無かったわけではない。「実は検証時にはOSがWindows 8.1だったのですが、導入する時期はWindows 10へと切り替わる時期でした。UIもすっかり変わるうえ、ネットワークが思ったように繋がらないなど当初は苦労した部分もありました」と当時を振り返る橋澤氏。
マウスコンピューターが同校へ導入したのは、10.1型 Windows 10搭載タブレットPC 「MT-WN1001」となる。キーボードが着脱できOffice MobileとOffice 365®サービスが標準で付属するなど、アカデミックモデルとしても対応できるスペックを持っている。木島小学校で起こった初期の問題はマウスコンピューターや代理店がサポートを繰り返すことで対応。数週間で解決したという。「マウスコンピューターさんには本当にお世話になって、大きな問題には至りませんでした。またOSにWindowsを選択することでMicrosoftアカウントを各端末に割り当て管理が統一できたとともに、端末の中で児童個別のデスクトップを作れたり、Officeアプリケーションが使いやすくなったりした利点もありました。これまで所有していたデータも引き継げますし、結果的にはWindows 10から始められて良かったと思っています」と語った。
OSやパッチのアップデートによる一時的な不具合は、ICT教育にとっては課題を残してしまうことが多い。そこで必要とされるのは、ベンダーのサポートを超えた部分でICTのテクニカルな部分も併せて相談できる、ICT支援員やICTコーディネーターといった存在だ。「例えば市に数名、ICT活用についてアドバイスできるような人がいると、簡単な問題ならすぐに対応できます。ベンダーにお願いするばかりでなく、活用の幅を広げる意味でもICTについて相談できる人材が身近にいると、ますますICT教育が活性化すると考えています」と宮澤氏は今後の課題について述べた。
「手紙を書く場合は手書きの方が気持ちが伝わる、レポート発表はテキストのほうが読みやすいからタブレットPC、といった感じで自分なりにICTを位置づける生徒も出てきました。こうした感覚が児童に早くから芽生えるのは大変意義深いですね」と平田氏は語る。子供たちに大きな影響を与えるICT教育。まだ始まったばかりの取り組みではあるが、更なる活用を目指す同校の方針があれば、良い結果に繋がることだろう。
「将来、子供たちが飯山市の発展に貢献できるような人材に育ってくれるとうれしいですね」と宮澤氏は最後に語ってくれた。今後もマウスコンピューターは木島小学校の目指すICT教育をサポートしていく。
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