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2010年は3D元年といわれているが、まだまだ3Dは物珍しいモノといった印象が強い。しかし立教池袋中学校・高等学校の「数理研」では、マウスコンピューターの3D対応PC「3D for GAMER」をほぼ最高スペックで導入し、日々3Dコンテンツ作成の研究を行っている。その内容はPC好きなら「うらやましい」と思うに違いない。
安心して3D立体視の研究ができるPCの導入
生徒の学習意欲を削ぐことのない処理速度の高いPCの必要性
生徒の主体的な学習意欲の向上
3D分野における最新の技術への積極的な取り組み
マウスコンピューターの「3D-PC」といえば、3D映像を見るためのPC本体、液晶ディスプレイ、メガネキット「3D Vision™ 」がセットになっており、安心して3Dコンテンツを楽しめるのが魅力。さらに、3種類あるモデルのうち「3D for CREATOR」「3D for GAMER」は、3Dコンテンツの制作にも対応している。3Dコンテンツの制作と聞いてもピンとこない人が多いかもしれないが、それを中高生ですでに実践しているのが、立教池袋中学校・高等学校のクラブ活動である数理研究同好会、通称「数理研」だ。
数理研は非常に面白いクラブで、その活動内容は株価のチェックからプログラミングまで、数学が絡むことならなんでも取り組んでいる。「好きなときに好きなことをやる」というのがクラブのモットーで、経済新聞を読む生徒もいれば、CUDAの研究をする者、ShadeでCGを作成する者と実に幅広い。それだけでは好き勝手にやっているクラブにも思えるが、40年という歴史を誇り、取り組む限りは「手を抜くな」という伝統もあって、投資をテーマにした日経STOCKリーグで敢闘賞(全国2位)を受賞するなど数多くの実績を残している。ちなみに、多機能ブラウザとして有名な「Lunascape」の作者も、この数理研出身といえば、「おおっ」と思う人も多いのではないだろうか。
その数理研が3D-PCの導入に至ったのには、いくつかの要因と偶然が重なったようだ。ひとつは2009年にNVIDIA® が開催した中高生向けのCUDAイベントに参加して刺激を受けたこと。もうひとつは、科学技術振興機構(JST)が公募した「中高生の科学部活動振興事業」において、研究テーマが採択され、予算などの支援を受けられたこと。この時点で3D Vision™ に対応できるPCを自作しようという案もあったようだが、教育ITソリューションEXPOで展示されていた3D-PCを顧問の先生が偶然見つけ、「安心して3D立体視の研究ができるPC」として購入を決断したという。セミナーや展示会に参加して、最新の技術に触れようとする積極的な姿勢と、取り組みに対して手を抜かないという伝統が生み出した結果といえる。高校時代、ひたすら情報処理の勉強をするという超地味な部活をやっていた筆者にとっては、うらやましい限りだ。
なお、導入した3D-PCは「3D for GAMER」で、スペックはCPUにインテル® Core™ i7-930、メモリ12GB、グラフィックスカードはGeForce® GTX 470、500GBのHDDに加えて、3D対応の液晶ディスプレイ、3D Vision™ をセットにしており、価格は約27万円というハイスペックな内容だ。3Dコンテンツの制作には、OpenGL(3Dグラフィックスのプログラムインタフェース)に最適化されたグラフィックスカードであるQuadoroを搭載する「3D for CREATOR」が最も適している。これは、LightWave 3D™ やMaya® 、AutoCAD® など、多くの3DCG/CADソフトがOpenGLを採用しているためだ。顧問の先生も「3D for CREATOR」と迷ったそうだが、Quadoroが高価であることに加え、クラブでよく使うShade(3DCG制作ソフト)はGeForce® でも十分快適に動作することが決め手になったという。
ここからは、3D-PCをどのように活用しているか紹介していこう。導入後にまず試したのは、静止画の3D化だという。デジカメを使って、同じ被写体をズラして撮影。それを3D Vision™ でうまく立体に見えるようにするには、どうすればいいかを、いろいろと試したとのこと。その結果、1枚目の撮影画像から6cm横にズラしたものを3D Vision™ で見ると、立体に見えやすいことがわかったという。中高生の時点で、3D立体視のコンテンツを作る場合の“勘どころ”を身につけているのには驚いた。3D立体視のすそ野が確実に広がっていると実感した瞬間だ。
しかし、詳しく話を聞いてみると、3Dコンテンツの制作に関しては、まだまだ情報が少なく、手探りにならざるを得ないという。例えばプログラムを学ぼうと思ったら、関連書籍を買ってくるのが一般的だが、3D立体視に関してはそういった本がまだ出ておらず、しかもインターネットで調べても技術的な情報はあるものの、コンテンツ制作についてはほとんど見かけないのが現状のようだ。
現在はShadeで作成した3DCGを、同ソフトのバージョン10.5から追加された「立体視レンダリング」を利用して、3D Vision™ に対応するコンテンツの作成に取り組んでいるという。静止画から一歩進んで、動画で効果的な3D立体視を体感できるコンテンツを目指し、11月の文化祭までには成果を出したいとのこと。そして、最終的にはゲーム制作まで到達したいという。
その一方で、現在の3D立体視は人によって見え方が異なることや、長時間の使用では目に負担がかかることを気にしていた。3D立体視はようやく普及し始めたところで、規格が乱立しているのに加えて、コンテンツも全然そろっていないという状況だ。誰もが見やすく、クリエイター側も制作しやすいように、規格の統一をしてほしいと願っているのは、誰もが同じだろう。
ハイスペックな3D-PCは、「3D立体視の研究ができる」という以外にも、クラブに大きな衝撃を与えているという。それは単純な処理速度の速さだ。Shadeのレンダリングにしても、今までクラブで使っていたPCに比べ、3倍ほどのスピードで完了できるという。それにより、これまでは処理に時間がかかって取り組もうとしなかった作業に対する意欲が沸いているとのこと。現在のPCはローエンドでも、ブラウザやオフィスソフト程度なら十分快適に動くため、顧問の先生としても少ない部費の中でいかに安くPCを増やすかに力を入れていたが、改めてハイエンドPCの良さに気づかされたという。今までは自宅でもコンテンツ作成をしていたが、もう自宅のPCでは遅くてやる気がしないというほど。高速なCPUと大容量メモリはクラブに相当なインパクトを与えたようだ。
また、約27万円という価格は、PCとしてはちょっと高いと思ってしまうが、コンテンツ制作の最先端といえる3D立体視を、たったこれだけの金額で研究できるんだとも感じたという。面白い話として、なぜクラブ活動に「GAMER」と名のつくPCが必要なのだと、顧問の先生が会議の場で問われたことがあるという。もちろん「GAMER」だからといって、ゲームをプレイするためだけのPCではないのだが、なかなか説明は通じなかったようで、「3D for Academic」があればと要望していた。確かにマウスコンピューターの3D-PCは、セットモデルでも14万円程度の低価格から購入できる。そのため研究用に導入しやすいだけに、教育現場向けのモデルがあると人気が出そうだ。
数理研は、多数のOBが参加する合宿があったり、さまざまな分野の勉強・研究をする生徒同士で刺激を与え合ったりと、「やる気」を伸ばす環境が整っていると感じた。プログラムの勉強などは、一人で地味にPCの前でやることが多いだけに、生徒や顧問の先生と楽しみながら学べるクラブにうらやましさや魅力を感じる人は多いはずだ。マウスコンピューター側でも数理研は意外な導入事例で、3D-PCの教育現場への販売という新しい可能性も感じているようだ。
今後も3D-PCの面白い導入事例があれば、積極的に紹介していく予定だ。3D立体視の未来が垣間見えるだけに、ぜひとも楽しみにしていてほしい。
(マイコミジャーナル広告企画)
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