HLOOKUP（エイチルックアップ）関数は、Excelで使える便利な検索関数です。
HLOOKUP関数を使うと、表の中から特定の情報を探すことができます。HLOOKUPの「H」は「横方向（horizontal）」を意味していて、横に並んだデータを探すのに使います。
この記事では、HLOOKUP関数の基本的な使い方から複数条件での検索方法、エラー対策まで幅広く解説します。
HLOOKUP関数とは？
HLOOKUP関数の特徴
HLOOKUP関数は、指定した範囲の一番上の行を基準にして、見つけたい値を探します。見つかった場合、その列の指定した行のデータを抽出します。
また、HLOOKUP関数はシンプルで、検索値、範囲、行番号、検索方法を指定するだけで使用できるため、初心者でも簡単に使いこなすことができます。
HLOOKUP関数とVLOOKUP関数との違い
HLOOKUP関数とVLOOKUP関数は、どちらもExcelでデータを検索するための関数ですが、検索の方向が異なります。
HLOOKUP関数は、指定した範囲の一番上の行を基準にして、横方向にデータを検索します。例えば、見つけたい値を指定し、その値が見つかった列の指定した行のデータを抽出します。
VLOOKUP関数は、指定した範囲の一番左の列を基準にして、縦方向にデータを検索します。例えば、見つけたい値を指定し、その値が見つかった行の指定した列のデータを抽出します。
HLOOKUP関数とVLOOKUP関数の比較は以下のとおりです。
| 特徴 | HLOOKUP関数 | VLOOKUP関数 |
|---|---|---|
| 検索方向 | 横方向（horizontal） | 縦方向（vertical） |
| 基準 | 範囲の一番上の行 | 範囲の一番左の列 |
| 関数 | =HLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, [検索方法]) | =VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索方法]) |
| 用途 | 横に並んだデータの検索 | 縦に並んだデータの検索 |
基本のHLOOKUP関数の書き方
まずは基本のHLOOKUP関数をご紹介します。HLOOKUP関数の構成については以下の通りです。
=HLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, [検索方法])
HLOOKUP関数の引数（関数に渡す値や設定）を詳しく見る
-
検索値：検索したい値。
-
範囲：検索を行うセル範囲。範囲の一番上の行が検索対象となる。
-
行番号：範囲内で返したい値がある行番号。範囲の一番上の行を1行目と数える。
-
検索方法※：TRUEまたはFALSEを指定。TRUEは近似一致、FALSEは完全一致を意味する。
- ※ 検索方法は省略可能です。
例えば、表の中で特定の「商品名」を探して、指定した行目にある「値段」を知りたいという場合に使用します。
▼（例）C3のセルにC2のセルで指定した「りんご」を範囲内から見つけて、その2行目にある「値段」を抽出したい場合。
各引数（関数に渡す値や設定）を詳しく見る
- C2：検索値。C2セルの値を基に検索を行う。
- B5:C7：検索範囲。B5からC7までの範囲内でC2の値を探す。
- 2：行番号。検索値が見つかった場合に、その列の2行目の値（値段「120円」）を抽出する。
- FALSE：検索方法。完全一致を意味し、検索値が正確に見つかった場合のみ値を抽出する。
複数条件でのHLOOKUP関数の使用例
HLOOKUP関数は、通常1つの条件で検索を行いますが、他の関数と組み合わせることで複数条件での検索も可能です。以下に2つの使用例を紹介します。
使用例１：検索値が2つ以上ある場合
検索値が2つ以上ある場合、結合して検索する方法です。
この例では、検索値に指定したいA2セルの「商品コード」とB2セルの「商品名」を関数の中で＆を使用して結合し、範囲B4:D6の2行目から値を抽出します。
各引数（関数に渡す値や設定）を詳しく見る
- A2＆B2：検索値。＆で繋ぐことで、値を結合し1つの検索値として扱う。
- B4:D6：検索範囲。B4からD6までの範囲内で検索値の値を探す。
- 2：行番号。検索値が見つかった場合に、その列の2行目の値（値段「150円」）を抽出する。
- FALSE：検索方法。完全一致を意味し、検索値が正確に見つかった場合のみ値を抽出する。
使用例２：HLOOKUP関数とIF関数との組み合わせ
IF関数（もし〇〇なら～）と組み合わせて、特定の条件に基づいて値を抽出する方法です。
この例では、A2セルの値を範囲B4:D6で検索し、2行目の値が0の場合は「在庫なし」、それ以外の場合は「在庫あり」と表示します。
各引数（関数に渡す値や設定）を詳しく見る
【 IF関数 IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値) 】
- 条件 (HLOOKUP(A2, B4:D6, 2, FALSE)=0)：条件。HLOOKUP関数の結果が0の場合。
- 真の場合の値 ("在庫なし")：条件が真の場合、つまり在庫が0の場合に表示される値。
- 偽の場合の値 ("在庫なし")：条件が偽の場合、つまり在庫が0以外の場合に表示される値。
【 HLOOKUP関数 HLOOKUP(検索値, 範囲, 行番号, [検索の型]) 】
- A2：検索値。A2セルの値を基に検索を行う。
- B4:D6：検索範囲。B4からD6までの範囲内でA2の値を探す。
- 2：行番号。検索値が見つかった場合に、その列の2行目の値を取得する。
- FALSE：検索方法。完全一致を意味し、検索値が正確に見つかった場合のみ値を抽出する。
HLOOKUP関数のエラー対策
HLOOKUP関数を使用する際に発生するエラーには、いくつかの共通の原因があります。以下に、よくあるエラーとその対策を紹介します。
エラー１: #N/Aエラー
【原因】HLOOKUP関数で検索値が見つからない場合に発生する。
【対策】IFERROR関数を使用して#N/Aエラーが発生した場合に「該当なし」と表示することで、検索値が見つからなかったことをすぐに認識することができる。
エラー２: データ形式の不一致
【原因】検索値と検索範囲のデータ形式が一致していない場合に発生する。例えば、全角と半角の違いや、数値と文字列の違いが原因。
【対策】TEXT関数を使用して、検索値を文字列に変換する。
エラー３: セル範囲の指定ミス
【原因】HLOOKUP関数の検索範囲が正しく指定されていない場合に発生する。例えば、全角と半角の違いや、数値と文字列の違いが原因。
【対策】範囲が正しく指定されているか確認する。
まとめ
HLOOKUP関数は、指定した範囲の行を検索し、指定した列の値を抽出するExcelの関数です。
HLOOKUP関数はデータが横方向に並んでいる場合に便利です。例えば、月ごとの売上データが横に並んでいる場合、HLOOKUP関数を使って特定の月の売上を簡単に抽出できます。一方、VLOOKUP関数はデータが縦方向に並んでいる場合に適しています。データの配置に応じて、適切な関数を選びましょう。
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