医療従事者の事務用途でのパソコン選びのポイントやスペックの目安とは?おすすめモデル3選も紹介

医療従事者の事務用途でのパソコン選び

医療従事者は、病院の受付や診察室、ナースステーションなど、さまざまな場所でパソコンを活用します。診療の記録やレセプト作成、患者情報の管理など、正確かつ効率的な業務が求められるため、パソコンの性能は重要です。

 医療従事者が事務用に使うパソコンを選ぶ際は、業務内容に合ったスペックやセキュリティ機能を備えているかチェックしましょう。特に、CPUやメモリの性能は、電子カルテや複数のソフトを同時に操作する際に重要となります。

この記事では、医療従事者の事務用途で求められるパソコンに必要なスペックや選び方について、詳しく解説します。

※ 製品の情報や価格は2024年12月19日時点の情報となります。

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医療従事者がパソコンを使って行う病院の仕事とは?

 適切なスペックのパソコンを選ぶには、まず事務作業の内容を明確にする必要があります。作業内容を紹介する職種は、次のとおりです。

医療事務

看護師

医師

各職種の事務作業について解説します。

医療事務のパソコン仕事

 医療事務は、病院やクリニックで事務作業を行う職種です。パソコンを使った事務作業の中心は、診療報酬の請求に関わるレセプト業務です。

 レセプトとは、患者の診療内容を記録して保険者に提出する書類のことで、専用のレセプトソフトを使うことが一般的です。これにより、保険者から医療費の支払いを受けられます。

 そのほかの業務として、患者情報の管理や受付、会計処理、診察の予約管理などもパソコンを使って行います。これらの事務作業には、電子カルテシステムやExcelなどの表計算ソフトウェアを使用することもあります。

看護師のパソコン仕事

 看護師は患者のケアを行う専門職ですが、パソコンを使った事務作業も行います。主な作業は、電子カルテへの記録です。患者のバイタルサイン(体温・血圧・脈拍など)や処置内容を看護記録として電子カルテに入力します。

 また、看護計画の作成もパソコンで行います。患者ごとに看護計画を立て、その進捗を管理することも看護師の仕事です。さらに、シフト管理などにはExcelを、報告書の作成にはWordなどを使用することもあります。

医師のパソコン仕事

 医師が行うパソコンを使った主な事務作業も、電子カルテの入力です。診察内容の記録、検査の指示などは電子カルテを通じて行われます。

 また、診断書や意見書、紹介状の作成もパソコンを使います。さらに、学術的な業務として、学会発表用の資料作成や論文の執筆もパソコンで行います。これらの作業で、ExcelやWord、PowerPointを活用することもあるでしょう。

 一方、医療クラークが医師の事務作業をサポートするケースもあります。医療クラークは、医師の事務業務を補助する職種で、電子カルテの入力補助や文書作成のサポートを行います。

 

 

医療従事者がパソコンを選ぶ際のポイント

医療従事者がパソコンを選ぶ際のポイントは、次のとおりです。

OSの種類

OSのバージョン

ノートパソコン・デスクトップパソコン

ソフトウェアの推奨スペック

各ポイントを詳しく解説します。

OSはWindows OSがおすすめ

 OSは、パソコンの起動や制御に必要な基本ソフトウェアです。主なOSにはWindows OSとmacOSがありますが、病院やクリニックではWindows OSが一般的です。

 Windows OSが選ばれる理由は、電子カルテやレセプトソフトなど、病院向けの業務ソフトウェアがWindows OSに対応しているからです。院内の機械と接続されたコンピューターもWindows OSが一般的なので、パソコンなどもWindows OSで統一されます。さらに、多くの企業や公共機関でも使われているため、外部と業務環境を統一しやすいメリットもあります。

また、Windows OSの方がインターフェースが充実しており、外部ディスプレイに接続する際や、データをやり取りする際の汎用性に優れています。

これらの理由から、医療従事者のパソコンはWindows OSを選択しておいた方がよいでしょう。

 

バージョンはセキュリティに強いWindows 11 Proがよい

 Windows OSには、主にWindows 11 HomeとWindows 11 Proの2つのバージョンがあります。Windows 11 Homeは家庭向けに設計されており、基本的な機能を備えています。

 一方、Windows 11 Proはビジネス向けの機能が追加されており、セキュリティや管理機能が強化されていることが特徴です。病院やクリニックでは個人情報を含む患者データを扱うため、強固なセキュリティを確保する必要があります。

 たとえば、Windows 11 Proには、BitLockerという暗号化機能があり、パソコンの盗難や紛失時にもデータを保護できます。別のデバイスから遠隔操作できるリモートデスクトップ機能を使えば、自宅での作業も可能です。

機密情報を扱う医療機関ではセキュリティ対策が求められるため、Windows 11 Proが推奨されます。

ノートパソコン・デスクトップパソコンの違いを理解して選ぶ

ノートパソコンとデスクトップパソコンの違いを理解し、適切なタイプを選択することも重要です。

 ノートパソコンは持ち運びができるため、病院内を移動しながら業務を行う方に向いています。看護師がナースステーションから病室へ移動するときや、医師が会議室で説明を行う際などに便利です。医療従事者個人に支給する場合は、ノートパソコンが多いでしょう。

 一方、デスクトップパソコンは、設置場所が固定されるものの、画面が大きく作業がしやすいところが特徴です。医療事務など一日パソコンで入力作業をする職種は、デスクトップパソコンがよいでしょう。

業務内容やどこに設置するかを考慮して、用途に合う方を選択することがポイントです。

購入前に業務内容やソフトウェアの推奨スペックを確認しておく

 パソコンを購入する際は、業務内容や使用するソフトウェアの推奨スペックを確認することが大切です。たとえば、現在ではさまざまなクラウド型の電子カルテが提供されており、必要なスペックはサービスにより異なります。

 また、Microsoft Office のアプリを2つ同時に使うマルチタスクが発生する場合もあるでしょう、このような具体的なソフトウェアや業務内容を考慮して、CPUのグレードやメモリの容量を検討する必要があります。

ソフトウェアに関しては、公式サイトで公開されている推奨スペックを満たすだけでなく、少し余裕のある性能を選ぶことがポイントです。スペックに余裕があれば、ソフトの動作が安定し、業務の効率も向上します。

医療従事者がパソコンを選ぶ際の具体的なスペックとは?

医療従事者が使用するパソコンを選ぶ際に、チェックするスペックは次のとおりです。

CPU

メモリ

ストレージ

バッテリー駆動時間や堅牢性

まずは、事務用途に利用するパソコンのスペックと、オンライン資格確認用として利用するパソコンのスペックの目安を紹介した後、細かなスペックの選び方を解説します。

事務用途に利用するパソコンのスペック

 医療従事者が事務用途に利用するパソコンは、一般的な事務作業をこなせるスペックを押さえることが大切です。業務を円滑に進められる性能を確保するには、適切なCPUとメモリ容量を選択する必要があります。

CPUは業務ソフトを快適に動かす性能が必要で、メモリは複数作業を同時に行える容量が求められます。

 また、ストレージは十分な容量を確保しつつ、データの保存や読み書きを素早く行えるものがよいでしょう。ノートパソコンの場合、外出時でも作業を続けられるバッテリー駆動時間があるかも重要です。

事務用途で使うパソコンのスペックの目安は、次のとおりです。

スペック項目 目安
CPU Intel® Core™ i5 / AMD Ryzen™ 5以上
メモリ 16GB以上
ストレージ SSD 256GB以上
バッテリー駆動時間 10時間以上

オンライン資格確認用として利用するパソコンのスペック

 オンライン資格確認とは、オンラインで患者の保険情報を確認できる仕組みのことです。オンライン資格確認を行うパソコンは、安定した動作と高いセキュリティが求められるため、OSは Windows 11 IoT Enterprise / Windows 10 IoT Enterprise が推奨されます。

また、CPUやメモリ、ストレージ、ディスプレイなどの細かな推奨スペックも定められています。

オンライン資格確認用パソコンの具体的な推奨スペックは、次のとおりです。

スペック項目 目安
OS Windows 10 IoT Enterprise
CPU ・ノートパソコン
インテル® Core™ i3-8145U 以上
・デスクトップパソコン
インテル® Core™ i3-8100T 以上
メモリ 8GB以上
ストレージ 256GB以上
インターフェース ・USB 3.2(Gen1以上) Type-Aを有すること。
・Type-A(3.2 Gen1以上を推奨)を有すること。
・医療機関・薬局で使用する顔認証付きカードリーダーが動作するUSBであれば可。
・顔認証付きカードリーダーとの接続においてUSB Hubを用いる場合は、顔認証付きカードリーダーとの動作確認を行うこと。
※ USB 3.2 Gen1 = USB 3.0 / USB 3.2 Gen2 = USB 3.1となります。 Webサイト内製品仕様詳細表記ではUSB 3.0 / USB 3.1表記となっています。
ネットワーク 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T準拠
院内・局内ネットワークとオンライン請求ネットワークの接続に必要な数を用意すること。
ディスプレイ 1920×1080ドット 1677万色 以上

CPUはCore™ i5・Ryzen™ 5以上

 CPUは、パソコンの処理全般を担当する重要なパーツです。たとえば、医療従事者が行う事務作業では、電子カルテやレセプト作成ソフトをスムーズに動かすための性能が求められます。

推奨される具体的なスペックは、IntelのCore™ i5またはAMDのRyzen™ 5以上のモデルです。CPUによるパフォーマンス低下を極力抑えたい場合は、Core™ i7またはRyzen™ 7を選択するとよいでしょう。

 また、CPUは世代によって性能が異なるためチェックしておきます。Intelでは第12世代以降、AMDでは7000シリーズ以降がおすすめです。

CPUの性能が不足すると、ソフトの動作が遅くなり業務が滞る恐れがあるため、十分な性能を確保しておきましょう。

 

 

メモリは16GB以上

 メモリは、データを一時保存して処理スピードを速くする役割のパーツです。医療従事者が電子カルテやMicrosoft Office を同時に使う場合、安定した動作には16GB以上が推奨されます。

8GBでも動作は可能ですが、長期的な利用やマルチタスクを考えると、16GBの方が快適に利用できます。 32GBはオーバースペックになることが多いため、16GBを基準に選ぶとよいでしょう。また、メモリの規格にはDDR4やDDR5があり、DDR5はより高速な処理が可能です。

 

 

ストレージは256GB以上

 ストレージはデータを保存するパーツで、医療情報や業務データを保存するために必要です。ストレージの種類はHDD(ハードディスクドライブ)とSSD(ソリッドステートドライブ)がありますが、SSDの方がデータの読み書きが速く、業務効率の向上につながります。

 パソコンの内蔵ストレージ容量は、128GBや256GB、1TBなど幅広く用意されています。医療従事者が選ぶ際は、256GB以上を目安にして、保存するデータ量に応じて検討しましょう。

容量が不足した場合は、HDDやクラウドストレージを併用する方法もあります。

 

 

持ち運びが多い方はバッテリー駆動時間や堅牢性も重要

 持ち運んでパソコンを使用することが多い医療従事者は、バッテリーの駆動時間とパソコンの堅牢性を確認することも大切です。

たとえば、ナースステーションから病室へ移動したり、外部の会議に参加したりする場合、バッテリー駆動時間が短いと不便に感じます。目安としては、10時間以上の駆動時間を選ぶと使いやすいでしょう。

 堅牢性は、落下や衝撃に耐える性能を示しており、MIL規格(アメリカ国防総省が定める品質基準)に対応した製品が安心です。

筐体の素材もアルミやマグネシウム製のものは耐久性が高く、長期的な使用に適しています。これらのポイントを考慮すれば、外出先でも安定した業務が行えるでしょう。

 

 

医療従事者の事務用途におすすめ!マウスコンピューターおすすめパソコン3選

マウスコンピューターは、CPUやメモリなどのスペックを希望に合わせてカスタマイズできる、「BTO(Build To Order)パソコン」を販売しています。

ここからは、医療従事者の事務用途におすすめできる、マウスコンピューターのパソコンを3機種ご紹介します。

※ 製品の情報や価格は2024年12月19日時点の情報となります。

1.オンライン資格確認用端末の要件に準拠した「MousePro C4-I5U01BK-B」

OS Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021 64ビット
CPU インテル® Core™ i5-1235U プロセッサー
グラフィックス メモリー1枚時(シングルチャネル):インテル® UHD グラフィックス メモリー2枚時(デュアルチャネル):インテル® Iris® Xe グラフィックス
メモリ標準容量 8GB (8GB×1 / シングルチャネル)
M.2 SSD 256GB (NVMe)
サイズ 14型
通常価格
(税込)
129,800
MousePro C4-I5U01BK-B
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MousePro C4-I5U01BK-Bは、セキュリティに優れたWindows 10 IoT Enterprise LTSC 2021 64ビットを搭載しています。

フルHDの14型ディスプレイは、180度開くため作業体勢や設置環境に合わせて角度調整が可能です。さらに、ストレージには、読み書きの速度が速いM.2 SSDを採用しており、容量はカスタマイズできます。

2.病院になじむホワイトカラー「MousePro L5-I5U01WT-A」

MousePro L5-I5U01WT-A
OS Windows 11 Pro 64ビット ( PKIDラベル貼付対応 )
CPU インテル® Core™ i5-1335U プロセッサー
グラフィックス メモリー1枚時(シングルチャネル):インテル® UHD グラフィックス メモリー2枚時(デュアルチャネル):インテル® Iris® Xe グラフィックス
メモリ標準容量 8GB (8GB×1 / シングルチャネル)
M.2 SSD 256GB (NVMe)
サイズ 15.6型
通常価格
(税込)
145,860
MousePro L5-I5U01WT-A
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MousePro L5-I5U01WT-Aは、MouseProブランド初のホワイト筐体を採用しており、病院やクリニック内での使用にもなじみやすいモデルです。ナースステーションや診察室内でも、違和感なく使用できるでしょう。

また、有線LAN端子を搭載しているので、セキュリティの関係で無線接続ができない環境にも対応できます。

さらに、取り外し式のバッテリーを採用しているため、予備を用意しておけばバッテリーの故障時でもダウンタイムなく使用を続けられます。

 

 

3.マルチタスクに対応できる「MousePro LP-I5U01」

MousePro LP-I5U01
OS Windows 11 Pro 64ビット ( PKIDラベル貼付対応 )
CPU インテル® Core™ i5 プロセッサー 14400
グラフィックス インテル® UHD グラフィックス 730
メモリ標準容量 8GB (8GB×1 / シングルチャネル)
M.2 SSD 256GB (NVMe)
通常価格
(税込)
143,880
MousePro LP-I5U01
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 MousePro LP-I5U01は、マルチタスクにも対応できるデスクトップパソコンです。CPUには、高いパフォーマンスを発揮するIntel® Core™ i5 プロセッサー(14世代)を採用。医療従事者の事務作業をストレスなく行えます。

また、スリムケースを採用して横幅を99mmに抑えているので、設置の自由度も高いです。ケース前面にはUSBが計4ポート設置されており、周辺機器を簡単に接続できます。

さらに、パソコンコースは徹底した排熱検証とエアフロー設計が行われており、パフォーマンスの低下を抑えてくれます。

 

まとめ:医療従事者のパソコンは用途に合ったスペックを選ぼう!

 医療従事者がパソコンを選ぶ際は、業務を効率的に行える性能と安定した動作、高いセキュリティ性能を確保することが大切です。

 CPUは、Core™ i5やRyzen™ 5以上が推奨され、メモリはマルチタスクに対応できる16GBが目安です。ストレージはデータの保存や読み書きをスムーズに行える、256GB以上のSSDがよいでしょう。

これらの目安を参考に、具体的な業務内容や使用するソフトウェアと照らし合わせ、適切なスペックのパソコンを選択してください。

マウスコンピューターでは、今回ご紹介した製品以外にも、多様なスペックのパソコンを販売しています。詳しい機種の情報は、下の公式サイトからご確認ください。

 

 

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