3Dモデリングとは、3DCGを制作する最初の工程のことです。ゲームや映画などのエンタメ業界以外にも、建築や医療など幅広い分野で活用されています。
3Dモデリングを始めるには、モデリングの種類や表現方法などを理解し、ソフトウェアの推奨スペックを満たすパソコンやワークステーションを用意する必要があります。
この記事では、3Dモデリングを行うために必要な基礎知識を解説し、おすすめの製品を紹介するのでぜひ参考にしてください。
※ 製品の情報や価格は2024年8月27日時点の情報となります。
- 3Dモデリングとは?初心者向けの基礎知識を解説
- 3Dモデリングの用途
- 3Dモデリングの種類
- 3Dモデリングの表現方法(サーフェス・ソリッド・ワイヤーフレーム)
- 3Dモデリングのワークフロー
- 3Dモデリングソフトウェアの選び方
- 3Dモデリングに使用するパソコンの推奨スペック
- マウスコンピューターの3Dモデリングにおすすめのモデル3選
- まとめ:3Dモデリングは「基礎知識の理解」と「適切なパソコンやワークステーション選び」が重要
3Dモデリングとは?初心者向けの基礎知識を解説
3Dモデリングとは、コンピューター上で立体的なオブジェクトを作成する技術で、3DCGを制作する最初のステップです。ゲーム開発・製品設計・建築関係など幅広い分野で活用されています。
たとえば、家具のデザインを3Dモデリングで行うと、実物を作る前に形状やサイズを正確に確認できます。また、3Dプリンターを使った製品を試作する際にも活用されている技術です。
2Dモデリングとの違い
2Dモデリングは、平面上で図形やキャラクターを描く技術で「横(X軸)」と「高さ(Y軸)」の2つの軸で表示されます。一方、3Dモデリングは立体的な表現ができ、「横(X軸)」と「高さ(Y軸)」に加えて「奥行き(Z軸)」の3つの軸で表示されます。
たとえば、2Dはキャラクターの側面図を描くのに適していますが、3Dはそのキャラクターをあらゆる角度から見ることができ、よりリアルな表現が可能です。
建築の場合は、2D図面では見えない細部も3Dで確認できるため、設計の精度が向上します。
3Dモデリングの用途
3Dモデリングは、多岐にわたる業界で幅広く活用されています。具体的な用途は次のとおりです。
・エンターテインメント業界(映画・ゲーム)
┗ 映画ではキャラクターや背景、特殊効果の制作に使用
┗ ゲームでもキャラクターや背景、アニメーションの制作に使用
・建築や不動産業界
┗ 建物や内装の3Dモデルを作成し、完成イメージを再現
・製品開発
┗ 新製品のプロトタイプを3Dモデリングで作成し、試作品を作る前にデザインや機能を検証
・自動車や航空宇宙業界
┗ 自動車や航空機の設計における、エンジンやパーツの性能や安全性のシミュレーションに活用
・医療分野
┗ 骨や臓器、組織などを3Dでモデリングし、手術のシミュレーションや教育用で活用
・VRやARコンテンツの制作
┗ ユーザーに没入感のある体験を提供するため、リアルな3Dオブジェクトや環境の構築に活用
・教育や研修での活用
┗ 理科の授業で分子構造をモデリングする際に活用
┗ フライトシミュレーターでパイロットの飛行訓練に活用
このように、3Dモデリングは多様な分野で重要な役割を果たしています。
3Dモデリングの種類
3Dモデリングの種類は、次のとおりです。
・ポリゴンモデリング
・スカルプトモデリング
・CADモデリング
・曲面モデリング
各種類の内容について解説します。
ポリゴンモデリング
ポリゴンモデリングは3Dモデリングの基本的な技術で、多角形(ポリゴン)を組み合わせて立体を作成します。ポリゴンの頂点は「ポイント」、直線部分は「エッジ」、面の部分は「フェイス」、そしてポリゴンの集合体を「ポリゴンメッシュ」と呼びます。
この手法は、効率的に複雑な形状を表現できるため、ゲームやアニメーション、建築デザインなどで広く使用されるモデリングです。
ポリゴンの集合体であるため、角張った形状になりやすい傾向があります。ポリゴンの数を増やすことで滑らかにできますが、スキルを求められます。
スカルプトモデリング
スカルプトモデリングは、デジタルで粘土細工を作るようなモデリングの方法です。ペンタブレットなどを使用して直感的にモデリングする手法で、複雑な形状の表現を得意としています。たとえば、キャラクターの顔のしわや衣装の細かい質感を表現する際に用いられます。
一般的に、ポリゴンモデリングで基礎を作成し、その後にスカルプトモデリングで細部を追加するケースが多いです。
スカルプトモデリングは、主に映画やゲームの高精細なキャラクター制作に適していますが、建築物などの規則性のあるモデリングには不向きとされています。
CADモデリング
CADモデリングは、設計図や製図を3Dで作成する技術です。主に製品開発や建築設計で使用されます。たとえば、自動車のパーツや建物の設計において、詳細な寸法や仕様を正確に反映することが可能です。
CADモデリングにより高精度の画像処理を行うと、設計ミスを減らす効果があります。これにより、プロジェクトの効率が向上し、コスト削減にもつながります。また、設計段階での検証が容易になり、製品の品質向上にも寄与するでしょう。
曲面モデリング
曲面モデリングは、滑らかな曲線や曲面を生成するモデリング技術です。ポリゴンを組み合わせる必要がないので、容易に美しい曲線を表現できます。
自動車のボディや家電製品、建築のような、デザイン性が求められる用途に活用されます。また、工業デザインや航空機設計など、正確性を求められる用途にも活用される手法です。
3Dモデリングの表現方法(サーフェス・ソリッド・ワイヤーフレーム)
3Dモデリングの表現方法には、サーフェスモデル・ソリッドモデル・ワイヤーフレームモデルの3種類があります。それぞれの概要と特徴は次のとおりです。
表現方法 |
概要 |
サーフェスモデル |
・オブジェクトの表面だけで構成されたモデル ・体積・質量(内部情報)を持たない ・複雑な形状を詳細に表現できる ・主に画像処理やアニメーションで使用される ・実体のない形状も作成できる |
ソリッドモデル |
・体積・質量(内部情報)を持つ3Dモデル ・面が閉じられた立体 ・重心の位置の算出や密度の設定などができ、シミュレーションや製品の強度を検証する際に役立つ ・サーフェスモデルでモデリング後に使用することもある ・機械用CADの多くはソリッドモデルを採用している |
ワイヤーフレームモデル |
・頂点と線で立体を構成する3Dモデル ・3種類のなかで最も古くから利用されている ・モデルの構造が一目でわかる ・デザインの初期段階で利用される ・データ量が少なく演算処理や表示速度が速い |
これらの表現方法を適切に使い分けることで、目的に応じた最適な3Dモデリングができます。
3Dモデリングのワークフロー
3Dモデリングの手順は目的や手法によって異なります。ここではキャラクターを作成する際の一般的な手順を解説します。
1.リファレンス収集・コンセプトの作成
参考画像や資料を集め、デザインの方向性を決める工程です。たとえばキャラクターのモデリングでは、さまざまなポーズ・角度の画像を収集します。
2.モデリングの実行
専用の3Dソフトを使い、リファレンスを基に立体的な形状を作成する工程です。ポリゴンやスカルプトなどのモデルを駆使し、細部まで丁寧にモデリングします。
3.テクスチャリングとマテリアル設定
色や質感などを追加してリアルな外観にする工程です。キャラクターの肌や衣服の質感をリアルに表現するために、詳細なテクスチャを使用します。
4.レンダリングと仕上げ
レンダリング(数値データを画像に変換する)を行い、最終的な画像やアニメーションを生成する工程です。光の反射や影の効果をリアルに再現し、ビジュアルの完成度を高めます。レンダリング後は、後処理を行い完成度をさらに向上させます。
3Dモデリングソフトウェアの選び方
3Dモデリングのソフトは、無料・有料を問わず多くの種類が提供されています。適切なソフトを選ぶためには、以下のポイントに注目することが重要です。
選び方のポイント |
説明 |
目的に合った機能 |
・使用目的に応じた機能を持つソフトを選ぶことが大切 ・たとえば、ゲーム開発にはポリゴンモデリングが重要で、建築デザインには高精度な測定機能が求められる ・何を、どのように設計・制作するのか明確にし、それに合う機能を持つソフトウェアを選択する |
ユーザーインターフェースの使いやすさ |
・直感的な操作ができるかどうか確認する ・初心者でも理解しやすいインターフェースを選ぶと学習効率が向上する ・シンプルすぎるソフトウェアは機能性が不足する恐れもある ・自分のスキルレベルと学習に使える時間を考慮して選択する |
学習リソースとサポート体制 |
・チュートリアルやコミュニティ、サポート体制の充実度も確認しておく ・動画チュートリアルや公式のサポートが充実している場合、問題を素早く解決できる ・定期的なアップデートや新機能が追加されているかも確認しておく |
これらのポイントを考慮して、自分に最適な3Dモデリングソフトを選ぶことで、効率的に3Dモデリングを習得できます。
3Dモデリングに使用するパソコンの推奨スペック
3Dモデリングを行うには、比較的高いスペックが求められます。使用するソフトウェアにより推奨のスペックは異なりますが、以下のスペックを満たしておけば作業が快適になるためおすすめです。
パーツ |
推奨スペック |
CPU |
・インテル® Core™ i5以上(第12世代以降) ・AMD Ryzen™ 5以上 |
メモリ |
32GB以上 |
ストレージ |
SSD(M.2 SSD推奨) |
グラフィックス(GPU) |
・インテル® GeForce RTX™ 40シリーズ以上 ・AMD Radeon™ RX 7000シリーズ以上 |
3Dモデリングに使用するパソコンやワークステーションは、ソフトウェアの推奨スペックを満たしていることが重要です。まずは使用するソフトウェアを明確にし、その推奨スペックを確認して選びましょう。
なお、コストパフォーマンスや作業効率、拡張性などを重視する場合は、ノート型よりデスクトップ型がおすすめです。
マウスコンピューターの3Dモデリングにおすすめのモデル3選
ここからは、マウスコンピューターが販売する、3Dモデリングにおすすめのモデルを3機種紹介します。
※ 製品の情報や価格は2024年8月27日時点の情報となります。
2.14型ノートパソコン DAIV R4-I7G50WT-B
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7-13620H プロセッサー |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 4050 Laptop GPU |
メモリ標準容量 | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 500GB (NVMe Gen4×4) |
サイズ | 14型 |
通常価格 (税込) |
199,800円 |
DAIV R4-I7G50WT-B
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DAIV R4-I7G50WT-Bは、本体カラーに明るいホワイトを採用した14型のノートパソコンです。
約1.41kgの重量と18.3mmの薄さを実現。モバイル性とパフォーマンスを両立し、カメラとPCを同時に持ち運ぶカメラマンから住宅設計などのCAD設計、初めて3DCGのモデリングを学ぶ方、建築やクリエイター学科に通う学生向けPCとして授業と自宅の両方でご使用いただけます。
2.ノートPC セットモデル DAIV R6-I7G60SR-A(3Dモデリング向けセット)
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7-13650HX プロセッサー |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Laptop GPU |
メモリ標準容量 | 16GB (8GB×2 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 500GB (NVMe Gen4×4) |
サイズ | 16型 |
通常価格 (税込) |
254,800円 |
DAIV R6-I7G60SR-A(3Dモデリング向けセット)
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DAIV R6-I7G60SR-A(3Dモデリング向けセット)は、3Dモデリングやイラスト作成の効率化にも便利な左手用キーボードとクリエイター向けノートパソコンのセットモデルです。
16型 WQXGA液晶ノートパソコンは3D CAD・動画編集・写真編集など、あらゆるクリエイティブ用途に対応しています。
左手キーボードは、合計32個のカスタム可能なボタンを搭載。テンキー操作を活用する3Dモデリングや、イラスト作成のショートカット割り当てにもおすすめです。
3.デスクトップPCセットモデル DAIV FX-I7G6T(3Dモデリング向けセット)
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7-14700F プロセッサー |
グラフィックス | NVIDIA® GeForce RTX™ 4060 Ti |
メモリ標準容量 | 32GB (16GB×2 / デュアルチャネル) |
M.2 SSD | 1TB (NVMe Gen4×4) |
ハードディスク | 2TB |
通常価格 (税込) |
369,800円 |
DAIV FX-I7G6T(3Dモデリング向けセット)
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DAIV FX-I7G6T(3Dモデリング向けセット)は、3Dモデリングやイラスト作成の効率化にも便利な左手用キーボードとクリエイター向けデスクトップパソコンのセットモデルです。
パソコン本体は、ハンドルとキャスターを標準搭載し、背面インターフェースへのアクセス時や室内のちょっとした移動にも便利になっています。
27型液晶ディスプレイは色の再現性に優れたIPS方式パネルを採用しており、広視野角で画面を斜めから見ても安定した色を表示。非光沢のノングレア液晶だから画面への映り込みも少なく、長時間の作業でも目が疲れにくいです。
まとめ:3Dモデリングは「基礎知識の理解」と「適切なパソコンやワークステーション選び」が重要
3Dモデリングは、エンタメや建築、製造業や医療など幅広い分野で活用されている技術です。3Dモデリングを作成することで、よりリアルなコンテンツや精度の高い製品、安全性の高い製品などを開発できます。
3Dモデリングを行う際は、モデリングの種類や表現方法、ワークフローなどを理解したうえで、推奨スペックを満たしたパソコンやワークステーションを用意しましょう。
マウスコンピューターでは、3Dモデリングをはじめ、多様なクリエイティブ作業に役立つ高品質なパソコンを販売しています。今回ご紹介したモデル以外にも、さまざまな製品を販売しているので、ぜひ公式サイトをチェックしてみてください。