ワークステーションは、一般的なパソコンやサーバーとは異なり、高性能なCPUやグラフィックス(GPU)を搭載したコンピューターで、特に3Dモデル制作や3DCG、CAD、動画編集などの業務に適しています。
この記事では、マウスコンピューターが提供するクリエイター向けのワークステーション「DAIV FW」シリーズを中心に、ワークステーションの解説やおすすめのモデル3選を紹介します。
※ 製品の情報や価格は2024年5月13日時点の情報となります。
- ワークステーションとは高い処理パフォーマンスを発揮できるコンピューター
- マウスコンピューターのワークステーション
- ワークステーションの活用シーンの一例
- ワークステーションと一般的なパソコンとの違い
- ワークステーションとサーバーとの違い
- より専門的な作業に使うならハイエンドパソコンよりもワークステーションがおすすめ
- ワークステーションのおすすめ3選
- ワークステーションならマウスコンピューター
- まとめ
ワークステーションとは高い処理パフォーマンスを発揮できるコンピューター
ワークステーションとは、高い処理パフォーマンスを発揮するコンピューターのことです。一般的なパソコンと比べて、より高性能なCPUやGPUを搭載し、高速なメモリ、大容量のストレージを備えており、複雑な作業を効率的に行うことができます。そのため、CADやCG、映像編集、音楽制作など、さまざまな分野で活用されています。
マウスコンピューターのワークステーション
マウスコンピューターの「DAIV FW」シリーズは、高い拡張性と効率的な排熱設計を施したシャーシに、映像制作や機械学習、AIなど、幅広い分野に対応可能な「インテル® Xeon® w3-2423 プロセッサー」や「AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO 7995WX プロセッサ」を搭載しています。
また、グラフィックスは、「NVIDIA® T400」や「GeForce RTX™ 40シリーズ」、「AMD Radeon™ RX 7900 XTX グラフィックス」などのラインアップがあります。
さらに、大容量のメモリとストレージを搭載しており、これらの高性能なスペックにより、「DAIV FW」シリーズは、4K動画編集や高画質3DCGの作成など、高度なクリエイティブ作業に対応することができます。
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ワークステーションの活用シーンの一例
ワークステーションの活用シーンの一例として、次のようなものがあげられます。
3Dアニメーションや映像制作 |
ワークステーションは、3Dモデルやテクスチャ、ライティングなどの作成や編集に適しています。また、レンダリングや合成などの処理も高速に行うことができます。ワークステーションは、映画やゲームなどの業界で広く使われています。 |
CAD/CAM/CAE |
ワークステーションは、コンピュータ支援設計(CAD)、コンピュータ支援製造(CAM)、コンピュータ支援工学(CAE)などのソフトウェアを実行するのに適しています。これらのソフトウェアは、建築関係や機械、電気などの分野で、設計図やシミュレーションなどを作成するために使われます。 |
人工知能や機械学習 |
ワークステーションは、人工知能や機械学習などの分野で、大量のデータを分析したり、複雑なアルゴリズムを実装したりするのに適しています。ワークステーションは、高性能なCPUやGPUを搭載しており、深層学習や自然言語処理などのタスクを効率的に行うことができます。 |
以上のように、ワークステーションは、パフォーマンスや信頼性が求められる場面で優れた効果を発揮します。
ワークステーションと一般的なパソコンとの違い
それでは、ワークステーションと一般的なパソコンの違いをCPU・グラフィックス(GPU)・メモリ・ストレージのそれぞれで比較してみましょう。
1.スペック「CPU」の違い
2.スペック「グラフィックス(GPU)」の違い
3.メモリの違い
4.ストレージの違い
1.スペック「CPU」の違い
まず、スペックの違いとして「CPU」が挙げられます。CPUは処理能力に直結するため、「頭脳」とも呼ばれる重要なパーツです。CPUでは「Intel」や「AMD」が有名ですが、Intelで比較してみましょう。IntelのCPUは、「Core i3」エントリーモデルから、ハイスペックパソコンに搭載されている「Core i9」などがあります。ワークステーションには、業務用となる「Xeon」が搭載されています。
CPU |
コア数 |
Core i9 |
8~24 |
Xeon |
最大60 |
コア数とは、CPUに内蔵されるプロセッサ数のことです。コア数が多いほど、複数のプログラムを同時に処理できる速度が早くなります。Core i9では、8~24ですが、Xeonでは最大60です。パソコンの頭脳となるCPUだけを見ても、ワークステーションが優れていることがわかるでしょう。
2.スペック「グラフィックス(GPU)」の違い
グラフィックス(GPU)とは、3Dグラフィックスの画像描写を行う際に必要となる計算処理をするデバイスを指します。グラフィックス(GPU)の性能が低いと、映像が鮮明に表示されません。クオリティを重視するプロフェッショナルな現場では、高性能なグラフィックス(GPU)が求められます。ワークステーションには、一般的なパソコンよりも高性能なグラフィックス(GPU)が搭載されています。
3.メモリの違い
メモリにも違いがあります。ワークステーションには、データを転送する際のミスを検知・訂正する「ECCメモリ」が搭載されています。ECCメモリは一般的なパソコンにはほとんど搭載されていません。
データの転送中にメモリにエラーが生じれば、パソコンが停止したり強制終了したりする恐れがありますが、ワークステーションにはECCメモリが搭載されているので、安全性や信頼性を担保できるのも特徴です。
4.ストレージの違い
ストレージとは、データを保存するための場所のことを指し、種類は主にSSDとHDDがあります。
SSDの特徴は、半導体メモリを使用して高速なデータアクセスを実現し衝撃に強い点です。
HDDの特徴は、磁気ディスクを使用してデータを保存し、大容量のデータを保存できますが、衝撃に弱く、データアクセス速度はSSDよりも遅いです。
ワークステーションは、大量のデータを高速に処理する必要があるため、高速なSSDが一般的に搭載されています。
※ マウスコンピューターでは、カスタマイズ(BTO)でHDDを追加することも可能です。機種によりご選択いただけない場合がございますので、あらかじめご了承ください。
ワークステーションとサーバーとの違い
次に、ワークステーションとサーバーの違いを比較してみましょう。
ワークステーション |
サーバー |
|
用途 |
個々のユーザーが高度な技術的問題を解決するため |
ネットワーク上の多数のクライアントマシンにサービスを提供するため |
具体的な使用例 |
3Dモデリング、映像編集、CAD作業、ディープラーニングなど |
Webページのホスティング、ファイル共有、メールシステムの運用、データベース管理など |
稼働時間 |
業務で必要なときだけ使用 |
多くの場合、24時間365日稼働 |
冗長化 |
一部の高性能ワークステーションでは冗長化が可能 |
冗長化が一般的に行われ、一部のサービスが停止しても他の部分が機能を継続できる |
安定性・耐久性 |
高負荷の業務用アプリケーションの長時間稼働を前提に設計され、高い安定性を持つ |
多くのサービス提供者に対して質の高いサービスが提供できるように安定した動作が求められる |
ワークステーションは、個々のユーザーが高度な技術的問題を解決するために使用します。一方、サーバーはネットワーク上の多数のクライアントマシンにサービスを提供するために使用するのが違いです。
冗長化とは、システムが止まらないように、同じ機能を持つシステム(ハードウェアやソフトウェア)を予備として用意しておくことを指します。これにより、一部が壊れても他のシステムがその役割を引き継ぎ、システム全体が正常に動き続けます。
ストレージにおいて複数のディスクにデータを分散して保存し、1つのドライブのように認識させたり表示させたりするRAID技術や、スイッチングハブに電源ユニットを複数搭載する電源の冗長化などを行うことでサービスの停止やデーターの損失を防ぎます。
他にも、ワークステーションとサーバーでは稼働時間・安定性・耐久性などが異なります。
より専門的な作業に使うならハイエンドパソコンよりもワークステーションがおすすめ
CADやCG、映像編集、音楽制作のような、より専門的な作業を前提にパソコンを選ぶなら、ハイエンドパソコンよりもワークステーションをおすすめします。
パソコンとワークステーションは、それぞれ異なる目的と要求に対応するために設計されています。その結果、ワークステーションは一般的にパソコンよりも高価になります。
マウスコンピューターのワークステーションは、税込16万円台の手が届きやすいモデルから300万円台のモデルまで、ラインアップが充実しているので、用途に合わせて選ぶことが可能です。
ワークステーションのおすすめ3選
では最後に、ワークステーションのおすすめ3選を紹介します。
1.DAIV FW-X3N04
OS | Windows 11 Pro for Workstations 64ビット (DSP) |
CPU | インテル® Xeon® w3-2423 プロセッサー |
グラフィックス | NVIDIA® T400 |
メモリ標準容量 | 64GB (16GB×4 / クアッドチャネル) |
M.2 SSD | 1TB (NVMe Gen4×4) |
通常価格 (税込) |
499,800円 |
DAIV FW-X3N04
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DAIV FW-X3N04は、クリエイターのために開発された、デスクトップ型のワークステーションです。
CPUには、ワークステーション用途や業務用サーバー向けに特化されているXeon®を搭載。第12世代・13世代で採用された「Performance-cores」のみを搭載し、最大24コア・48スレッドのプロセッサーまで選択できます。専用のマザーボードや対応メモリとの組み合わせで、機能の拡張やシステム全体の信頼性の向上が可能です。
映像処理をはじめ、機械学習など幅広い分野に活躍するでしょう。コンパクトながらフルサイズのグラフィックスを搭載しているのも魅力です。
さらに、最新の「Wi-Fi 6E」に対応した無線LANをカスタマイズ(BTO)で搭載することができ、多数の端末を使用する環境でも高速通信を実現します。
2.DAIV FW-X3N1A
OS | Windows 11 Pro for Workstations 64ビット (DSP) |
CPU | インテル® Xeon® w3-2423 プロセッサー |
グラフィックス | NVIDIA® T1000 8GB |
メモリ標準容量 | 64GB (16GB×4 / クアッドチャネル) |
M.2 SSD | 1TB (NVMe Gen4×4) |
通常価格 (税込) |
539,800円 |
DAIV FW-X3N1A
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DAIV FW-X3N1Aは、CADやBIMなどクリエイティブな作業におすすめです。
OSにはワークステーションに最適な「Windows 11 Pro for Workstations」を搭載。グラフィックに集中した作業や膨大なデータの高速処理を対象に設計されているため、高いセキュリティとパフォーマンスでストレスなく作業を行えます。
クリエイターに必須となる機能性も兼ね備えているのも魅力といえるでしょう。
3.DAIV FW-P9ATX
OS | Windows 11 Pro for Workstations 64ビット (DSP) |
CPU | AMD Ryzen™ Threadripper™ PRO 7995WX プロセッサ |
グラフィックス | AMD Radeon™ RX 7900 XTX グラフィックス |
メモリ標準容量 | 256GB (64GB×4 / クアッドチャネル) |
M.2 SSD | 4TB (NVMe Gen4×4 / Western Digital WD_BLACK SN850X) |
通常価格 (税込) |
3,299,800円 |
DAIV FW-P9ATX
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DAIV FW-P9ATXのCPUは、AMD Ryzen Threadripper PRO 7000 WX シリーズで最大となる96コア/192スレッド、合計486MBのキャッシュを搭載した、高いマルチスレッドパフォーマンスを持つ「AMD Ryzen Threadripper PRO 7995WX プロセッサ」です。
グラフィックスの「AMD Radeon™ RX 7900 XTX グラフィックス」は、AIワークロードに最適化されたAMD RDNA 3 演算ユニットを搭載しているため、大規模なAIモデルをローカルでも作業可能です。
また、最大8Kの高解像度出力に対応しており、AV1による高品質な動画エンコード・デコードにも対応しています。
ワークステーションならマウスコンピューター
ワークステーションをお探しの方は、マウスコンピューターをチェックしてみてください。平面や立体図の2D設計には「NVIDIA Turing アーキテクチャ」、素材や光源の再現には「NVIDIA Ampere アーキテクチャ」がおすすめです。
他にも、用途や予算に応じて、幅広いラインアップが用意されています。以下の特集ページで詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
用途別おすすめスペック一覧や製品名別性能表も!
まとめ
ワークステーションは、高い処理能力と美しく繊細な再現力を発揮するため、一般的なパソコンでは処理に時間がかかる大容量のデータも、ワークステーションならスピーディーに処理できます。用途に合わせて最適なワークステーションを選んでください。
マウスコンピューターのすべての製品には、修理保証や24時間365日の電話サポートもありますので、ワークステーションをお探しの方はぜひ、公式サイトをチェックしてみてください。