MOVIE × PROJECTION MAPPING
映像xプロジェクションマッピングで
新しい感情表現に挑む
映像監督
大澤 健太郎
Projection Mapping
プロジェクションマッピング協会
楽曲提供
ヨルシカ
「詩書きとコーヒー」
新進気鋭の映像監督×DAIVのコラボレーションで、新しい映像世界を切り拓く。このプロジェクトでは、1stフルアルバムをリリースしたばかりの「ヨルシカ」から楽曲提供を受け、作品制作がスタート。DAIVは、優れたクリエイターの才能をどう引き出していくのか。その舞台裏に密着した。
映像監督
大澤 健太郎
京都造形芸術大学卒業後、出版社にてエディター、デザイナーの経験を経て、2009年より映像制作会社イエローブレインに入社し、丹下紘希氏に師事。
2013年よりディレクターとして独立。CM、WEBムービー、MV、LIVE演出映像など幅広い作品を手がけるほか、最近では、短編映画やテレビドラマなども手がけている。2017年よりCONNECTION Inc.に所属。
DAIVと共に、撮影現場で表現を磨き上げていく
DAIVとコラボレーションして、新しい映像を作る。非常に自由度の高いプロジェクトで、映像作家としてワクワクすると同時に、何を題材にするか悩ましい部分もありました。幸いにも、独特の世界観を持つアーティストのヨルシカさんから「詩書きとコーヒー」という楽曲を提供いただくことになり、その楽曲が持つ世界観を映像化していくところから、プロジェクトが動き出しました。
企画段階で考えたのは、歌詞そのものが主人公になるような映像を作れないか、ということでした。書き手の感情がストレートに表現された歌詞を視覚化することで、見る人が、より歌の世界観に引き込まれるような映像にしたいと思った。そこで今回は、プロジェクションマッピングを使って、曲名にもなっているコーヒーに歌詞を投影してみようと考え、そこから様々なものに歌詞をプロジェクションマッピングしていく企画が生まれ、プロジェクションマッピング協会さんにもご協力いただくことになりました。
最大の課題となったのは、文字の映し方だけで、いかに楽曲が持つ感情を表現するかということ。特に、「わかんないよ」というサビのフレーズに滲む葛藤や混乱を、文字のアニメーションで描くにはどうすればいいのか試行錯誤を繰り返しましたが、処理能力の高いDAIVのおかげで、撮影現場でもライブで納得のいくまでトライ&エラーを繰り返すことができ、グラフィック面での表現を追求することができました。技術面においても、液体にプロジェクションマッピングを試みるなど、いつかやってみたいと思っていた表現にチャレンジでき、意欲的な作品になったのではと思います。
先進のスペックが、作り手の想いに応えてくれる
プロジェクションマッピングの制作では、4K・8Kといった高解像度の3DCGや映像表現に対応すると同時に、膨大な作業時間を圧縮してスムーズな作業を行うためにも、CPU・GPU共に最先端のスペックを搭載したPCが必要となります。今回の撮影現場においても、監督の要求にライブで応えていくフレキシビリティが求められ、それは我々のスキルでもありながら、PCの性能に依存する部分でもあります。今回は、特殊なプロジェクションマッピングのシステムを使いましたが、DAIVは動作も非常にスムーズで、安心して作業することができ、我々の想いに応えてくれる頼もしいマシンだと思いました。
プロジェクトムービー
プロジェクトムービー制作工程
工程1:プランニング
まずは、映像の世界観や構成、表現手法を考える。ヨルシカの「詩書きとコーヒー」という曲を聴きながら、歌詞が持つ世界をいかに映像化するかを考えた。DAIVが使用できる環境だったこともあり、映像の中に言葉を印象的に投影していくプロジェクションマッピングを表現手法の軸に据えた。
工程2:プロジェクションマッピング素材制作
撮影現場で投影するためのマッピング素材を制作。今回は、頭の中に次々と浮かんでくる言葉を、コーヒーや身の回りのものに投影して感情を表現しようと考えた。撮りたい映像と現場のセットをイメージしながら、どんなものに、どう投影するのか、文字の形に合わせて、1文字1文字角度や動きを変えるなど、ディテールにもこだわった演出を模索した。
工程3:現場セッティング
カメラとプロジェクターが互いに干渉しないようなポジションを探りながら、セットの造作や投影するものの位置を決めていく。通常は、撮影前日までにセッティングとリハーサルを済ませるケースが多いが、今回はタイトなスケジュールの合間を縫って行われたため、撮影当日にセッティングが行われた。
工程4:実写撮影
事前に用意したマッピング素材を投影しながら、その場で素材の作り直しや調整を行い、少しずつ描いていた映像イメージに近づけていく。コーヒーにプロジェクションマッピングをした場面では、コーヒーの黒色が投影した光を吸収してしまうなど、現場での試行錯誤が繰り返し行われた。限られた時間の中で作業スピードが要求される現場となったが、DAIVの高速かつ安定的なパフォーマンスに支えられ、ストレスなくスムーズに撮影が進められた。
工程5:編集作業
撮影した素材の中から、使えそうな部分を切り出して、様々なパターンでつなぎ合わせてみる。さらに、素材ひとつひとつについて、色味の調整を行う。色調整は、素材全体を一気に色変換するのではなく、肌のトーンだけを抽出して色味を変えたり、光の色を調整したりするなど、細部にまで部分的な調整を加えていく。
映像の編集作業では、素材をつなぐ順番や色味など、様々なパターンを試すトライ&エラーが重要になるが、これまではPCの処理能力に制限される部分も少なくなかった。DAIVを使用した今回の編集作業では、素材を軽いデータに書き換えることなく、音楽に合わせて映像を流しながら編集・色調整ができたため、時間をロスすることなく、表現の可能性を最大限に追求することができた。
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CONNECTION Inc.
アーティスト×クリエイター×エージェンシー×ブランドの4つの主役を有機的につなぎ、新しい答えを生み出していくクリエイティブ企業。映像ディレクターである柿本ケンサク、伊東玄己、TAKCOM、丸山健志、田向潤を筆頭に、約40人のクリエイター(Director、Editor、VFX、CG)とスタッフらが所属。オーストラリアのCGチームやアメリカのクリエイティブエージェンシーとアライアンスを組み、海外クリエイターとの共同制作も行う。ユニークかつ柔軟なアプローチで、ストーリー開発からの作品制作、ハイクオリティの映像をつくり出すことが可能。
http://cnct.work -
一般財団法人
プロジェクションマッピング協会世界中のクリエイターや技術者とネットワークし、ハイレベルなプロジェクションマッピングを軸に幅広い事業を手がけている。国際大会の開催、アート企画や地方創生、イベントやライブの演出、商業空間の空間デザインやサイネージ演出等、多角的にプロジェクトを企画プロデュースしながら、クリエイターの活動フィールドを国内外に広げている。またワークショップやセミナーなどといった人材育成まで行い、プロジェクションマッピング表現の普及啓発をしている。2011年発足、2012年一般財団法人化。
http://www.projection-mapping.jp -
楽曲提供
ヨルシカ「ウミユリ海底譚」「メリュー」といった人気曲で知られるボカロPであり、コンポーザーとしても活動中の“n-buna(ナブナ)”が女性シンガー“suis(スイ)”を迎えて結成したバンド。2017 年より活動を開始。1st Full Album『だから僕は音楽を辞めた』2019年4月10日発売。
http://yorushika.com/
DAIV-NG5800U1-M2SH5
[OS] Windows 10 Home 64ビット
[CPU]インテル® Core™ i7-8750H プロセッサー
[メモリ] 32GB (16GB×2 / デュアルチャネル)
[ストレージ] 512GB インテル® 660p + 2TB HDD
[グラフィックス] GeForce RTX™ 2060
229,800円 (税別)
※代表的な構成の一例です。
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15.6型 フルHD
狭額縁による大画面液晶。高負荷作業も可能な持ち運べるクリエイティブ環境