バーチャルシンガー花譜の、
新たな「物語」の軌跡を捉えた。
―― 今回のミュージックビデオ制作に
携わったクリエイターを紹介 ――
Profile
―― MV『メルの黄昏』映像制作を観測する ――
Interview
映像制作という
一側面から、
「花譜」を切り取る
川サキ:僕はカンザキさんと花譜のファンみたいなものなので、今回の楽曲を聴いたときから、すごくいい曲だなって思いました。楽曲の中でメルという女の子が出てくるのですが、メルと花譜の世界観を変えたいなと考えまして。
そこで人形を使ってメルを表現して、花譜が歌うことで登場するストーリーにしたいなと思いました。半立体のすこし箱庭的な世界観にしたかったこともあり、背景セットと一緒に人形もデザイナーの永田あすかさんにお願いして、作っていただいて。
CGを使って制作しているのですが、好きなのは実写なので、そこにキャラクターを載せていいものを作りたい。背景も含めどうしても全部をCGで作るのはさすがに難しいので、両方のいいところを取りながら一本の映像にできたらいいなと。
見方によっていろんな側面があるのが花譜の魅力だと思うので、その中での「一つの視点」として、僕のMVを見て何か感じてもらえると嬉しいなと思っています。
また、今ってスマホやパソコンだったり、見る人の媒体がそれぞれ違うじゃないですか?その中で一番いい比率を取れるのが正方形なこともあり、1:1のレイアウトにこだわっています。特にスマホの場合は横にせずそのまま見る人も多いので、見る人に合わせて「一番いい方法は何か?」と考えながら作っていきたいですね。
限りある時間を
CGとして昇華する、
PCの存在
川サキ:ちょうど中学高校くらいのときにCGが世に出始めた時期で、「一人でもこういうものが作れるんだ」と衝撃を受けて映像に興味を持ち、この仕事に入った形ですね。最初、株式会社白組に入っていまして、いろいろ学んでいくうちに、現在はCGスタジオ『Eallin Japan』でディレクターをしております。
使用ソフトについてはAdobeのPhotoshopやAfter Effectsと、CG作品に関しては3ds Maxを使っています。最終的にはコンポジットに対しても実写やCG、モーショングラフィックスといろんな要素が絡み合うので、マシンスピードは大事です。
10年前と比べると、どんどん速くなっているのと同時に作るものも増えているので、そこは “いたちごっこかな” と思いながら、やっぱり新しいマシンの方がありがたいですね。
その中でも一番大事なのは「トライ&エラーにどれだけ時間を割けるか?」なので、その意味でもプレビュー速度が大事になってくると思います。大体の流れは作ってあるんですけど、映像で撮ったときに「やっぱり違うな」となることも多いので、実際に撮った映像の中から一番いいところを選んでいます。
最近の作業では常に複数のソフトが立ち上がっている状態なので、そこで同時に起動できて、シームレスに作業できるのは助かります。加えて、いいマシンだとトライ&エラーの回数が増えるので、その分いいものができるかなと思いますね。
楽曲の持つ世界観に、
惹き込まれていく
川サキ:今回『メルの黄昏』を歌ってみて、どうでしたか?
花譜:メルは他人の辛いことや苦しいことを自分自身のことのように受け取ってしまう、良くも悪くも感受性が豊かというか。「そういう風に思わなくても」楽しいことだっていっぱいあるのにって私は思うので、「なんでそう思うの?」っておしゃべりするように歌いました。
川サキ:本当にカンザキさんの作る曲や歌詞って、情景が浮かぶ感じがすごいですよね…。花譜さんはMVを見て、どう思いました?
花譜:すごくわかります…!メルの部屋が箱の中にあって、物寂しさというか悲しさというか、じわじわ体にくるような感じが印象的でした。
川サキさんに作っていただくMVはなんていうんだろう…バーチャルとリアルの境目があやふやになる景色がすごいなっていつも本当に思っていて。その動画を見てる自分の部屋までも、丸ごと飲み込んでしまうような感じがして。
景色の切り取り方も、色も光もすごく好きで、きっと川サキさんと私が同じものを見てたとしても、全く見え方が違うんだろうなって思ってます。MVを撮影した場所ってどこも素敵なんですけど、いつもどうやって見つけているんですか?
川サキ:僕は街が好きなので、歩きながらだったりMVのテーマに合ったところだったりと、景色のいいところを見つけるのが楽しくて。見える世界や景色が人それぞれ違う中で、MVを「一つの見え方」として切り取った形で見せられるって、すごい楽しいことだなって思います。
花譜さんの歌もそうですし、カンザキさんの作る曲と詩も、聴いたときから「映像が浮かぶな」っていつも思わされるんですよ。
花譜:ありがとうございます…!そう言っていただけて、すごく嬉しいです。
音楽を中心として
始まる、
新しい物語
川サキ:花譜さんに聞いてみたいことがあって。MVを公開するときって、歌自体も初公開が多いじゃないですか?いつもどんな気持ちで公開を見たり聴いたりしますか?
花譜:そうですね…。「新しい物語を見る」みたいな、ワクワクした気持ちでいつも見ています。
川サキ:僕は、バンドや音楽を聴いてMVを撮ってみたいと思ったのですが、音楽が原動力になることって多いですよね。花譜さんはそういうのありますか?
花譜:小学5年生くらいからパソコンを使い始めてYouTubeを見るようになって。友達に『HoneyWorks』をすすめられて世界が広がって、それからずっとボカロばっかり聴いてて。ボカロとか「歌ってみた」とか知らなかったら、音楽アプリに自分の歌を投稿なんて絶対しなかっただろうし、なんかすごいですね。
川サキ:そういうところから繋がっていくんだなって感じますよね…。じゃあ最後に、来年2021年に挑戦したいことを聞いていいですか?
花譜:いま3年目ですごい時の流れが早くて、ぼーっとしてられないなといつも思ってるんですけど…2021年はライブをたくさんして、観測者のみなさんとたくさん会いたいです。
川サキ:次は観客を入れてやれると嬉しいですね…!僕も花譜さんのMVをはじめ、いろんな映像を作れたらいいなと思っています。
花譜:会いたいですね、みなさんに!『メルの黄昏』のMVも、ぜひご覧ください!
text by 八窪豊文(PLUS-D)
photo by 今村光一郎(PLUS-D)
Music Video
―― 制作現場だからこそ生きる
DAIVの可能性 ――
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DAIV Z7-QR4
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※当ページの掲載内容および価格は、在庫などの都合により予告なく変更、
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DAIV 3N
OS:Windows 10 Home 64ビット /
CPU:インテル® Core™ i7-8709G
メモリ:16GB PC4-19200 /
M.2 SSD:512GB NVMe対応
グラフィックス:Radeon™ RX Vega M GH /
液晶パネル:13.3型 フルHDグレア
無線:IEEE802.11ac/a/b/g/n ・ Bluetooth 5モジュール内蔵
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または終了となる場合があります。
花譜でした。
またね。